滋賀1区(自民党) 大岡敏孝(おおおか としたか)

2011年06月の記事一覧

2011.06.20 (月)

国政の貧困化

連日総理がいつ辞めるとか、何と引き換えだとか、くだらないニュースが流れていますね。

いつも思うのですが、ほとんどの国民はいわゆる「政局」、つまり足の引っ張り合いには興味がないのではないでしょうか?
「誰が総理にふさわしい」とか、「今総理がやらなければならない仕事は何か」といった議論は置き去りにされ、1年くらいで次々に総理を引きずり下ろして、また適当に後釜を据える・・・その繰り返しが、日本の政治をダメにし、ひいては国際社会における日本の地位を低下させ、日本の産業力の妨害・邪魔をしてきたと思います。

しかし残念なことに・・・評論家の皆様も、マスコミの関係者、特に政治に深くかかわっている方ほど、政局が好きなんですね。政局が面白いようです。結局「政治の世界」のステークホルダーである、プレーヤーとしての政治家と、それを取り巻く関係者、それを国民に報道するマスコミが政局が好きな人たちの集まりなので・・・それから出てきた最近の結論は、日本の政治の貧困化という事です。

今回も、菅総理の首と引き換えなら法案を通すが、やめないのなら通さない、という議論を野党もしていますが、本当に辟易しますね。それは法案の中身とは何の関係もない話です。
本来法律を作るのが国会の仕事ですから、よりよい国民生活のために何が必要かを議論し、その中身で勝負するべきです。しかし今は、中身の議論はすっぽり抜け落ちて、「政治的取引」「党利党略」「足の引っ張り合い」だけで法案の成否が決まってしまっています。

いったいこんな政治をいつまで続けるつもりなんでしょうか?
私もいい加減、呆れてきました。

政治が貧困化すると、結果として国民生活の足を引っ張り、企業活動の足を引っ張ることになります。
少なくとも今まかされている静岡県政が貧困化しないよう、気持ちを強く持って、志を高く持って、議会活動に取り組みたいと思っています。

いよいよ次の木曜日から6月県議会がスタートします。
いろいろ準備で追われていますが、しっかりとした審議を皆様にお伝えしてゆきたいと思います。

2011.06.15 (水)

メガソーラー

ソフトバンクの孫社長の発言をきっかけに、太陽光発電がさらに注目されるようになっています。

孫社長は、被災地への寄付金の額も、ソーラー発電で示したビジョンも、政治家よりずっと大きなインパクトがあり、私も常に注目している経済人の一人です。
しかし、私は孫社長のおっしゃっている「メガソーラー」には反対の立場です。
それよりも、家庭の屋根や工場の屋根にソーラー発電をつけることを推進すべきだと思います。

というのも、ソーラー発電の最大のメリットは「小分けができる」「単位面積当たりの発電量が一定なので、大きくしても小さくしても効率は同じ」ということだと考えています。

ソーラーは他の発電に比べて不利だという主張があり、その論拠には発電効率の低さを指摘したものが多いですね。そんなことはわかりきったことです。発電効率だけでいうのなら、本質的には原子力がトップ(日本のように必要以上に頻繁な点検を要求することをやめれば)ですが、この原子力が実は今の科学技術では制御しきれないということが明らかになったので、代替のエネルギー源をさがしているのですから。

私はエネルギー源は多様であればあるほどいいと思っていますので、ソーラー一点張りをする考えはありません。それぞれのメリットを生かして、複合的にエネルギー確保をすればよいと考えています。

そうすると、ソーラーの最大のメリット、それは「小分けをしても効率が落ちない」ということですから、小分けをして設置することがベストだと考えます。

逆に「広大でまとまった土地を用意してのメガソーラー」は、ソーラーのメリットを何も生かせないということになります。そんな土地があるのなら、LNG火力発電所を作るほうがよっぽど効率がいいのです。あるいは工業団地として造成するとか、マンションを建てるほうが、土地利用の効率はずっと高くなるのです。そういう意味では、中部電力さんの進めようとしている清水でのメガソーラーはナンセンスだと思います。今からでも見直しをして、LNG火力発電所を建設してはいかがかと思います。

また、あえてメガソーラーをやるのであれば、新幹線の土手の斜面に張るとか、防波堤の斜面に張るとか、使い道のない土地を利用して、「合わせてメガ」というメガソーラーが良いと考えます。

実際に、宮崎県では使っていない、またほかに使い道のない「リニアモーターカーの試験線」の上に細長くソーラーパネルを張って、メガソーラーとしています。こういうやり方がベストですね。

これから始まる6月議会で、県として個別住宅のソーラー発電を補助することにしました。
最大4キロワットを対象に、1キロワット当たり3万円の補助を、県内1万戸を対象に応援させていただきます。これによって、国や市町村の補助も合わせると、4キロワットで40万円程度の応援を受けられることになり、200万円を切る価格で購入可能となります。

これまで県は産業用、市町村が家庭用と何となくすみ分けしてきたのですが、私は新エネルギー特別委員会や会派として「家庭用も県で応援すべきだ」と要望してきました。ほかにも、「ソーラー発電部分の固定資産税の減免」や、「中部電力の基本料金の減免」も法制化して行うべきだと主張していますが、残念ながらこれらはいまだに実現していません。

これからも、新エネルギーの開発や設置補助を進めて、バランスの良いエネルギー源による安定した供給を目指してゆきたいとおもいます。
とかく日本は何かがブームになると「一本やり」になりがちですが、一番重要なのは「多様性」「バランスの良さ」だと思っていますので、この点に配慮して政策のバランスを取ってゆきたいと思います。

また、浜岡原発が止まったことで、静岡県は大幅な電力輸入県になってしまいました。
電気の多くを愛知県や三重県に依存することになります。これは負担の平均化の視点でも好ましくないので、火力発電なのか水力なのかはわかりませんが、発電についても静岡が応分の負担をするように、中期的なビジョンを組み立ててゆきたいと思っています。

明日が議会運営委員会で、いよいよ来週から6月議会が始まります。皆様の役に立つ議論をしますので、どうかよろしくお願いします。

2011.06.02 (木)

大山鳴動して

今日は、いったい何のための国会だったのでしょうか?

大山鳴動してねずみ一匹とは今日の国会のことですね。

国会議員の皆様はそれぞれ、裏切っただの嘘をついただのいろいろ罵っておられるようですが、「国家国民のためになったかどうか」という最も重要な尺度から見れば、どっちもどっちです。

結局のところ、国政に対する失望を増大させただけという結果になりました。
つまり、国会議員が全員負けたということです。

私は、「選挙制度を改正すること」「指導的立場の方々を中心に『政治家にいったい何を求め、何を基準に政治家を選ぶのか』という国民的な議論をすること」の二つを行わない限り、解散総選挙を何度やっても結果は同じことだと思います。

選挙区が小さくなったことと連動して、国会議員も小さくなりました。
いま、政治家らしい政治家、直近の問題をしっかり解決しながら、将来的なビジョンを描ける人物が少なくなったといわれています。政治家は夢を語るだけでは、それは寝言を言っているのと同じことです。今起きている問題、今抱えている課題をひとつずつしっかり解決してゆく能力こそ、国民に強く求められていると思います。

これから先、国政が心を入れ替えたように良くなることはあるのでしょうか?
私には・・・大きな疑問です。

この10年、あるいは20年、日本の政治は混乱しっぱなし、小さく小さくなりっぱなしです。
マスコミとともに批判したり煽ったりするのは簡単なことですが、それは結果として日本人全員が不幸になるだけのことです。私たちはそろそろこのことに気づかなければなりません。

私も地方議員の端くれとして、全力でがんばりたいという思いをさらに強くした一日でした。

ページのトップへ