滋賀1区(自民党) 大岡敏孝(おおおか としたか)
2011.09.05 (月)

石炭火力発電所

先日、中部電力の石炭火力発電所を視察してきました。
これは愛知県碧南市にあって、中部電力唯一の石炭を使った発電所です。

ご存じの通り、石炭発電は今のところ、原子力発電所と並ぶ最もコストの安い発電方法の一つです。
原発については、特に安全性に課題が出ており、さらには使用済み燃料や放射能を浴びた構造物の処理など未解決の問題があることは皆さんご承知の通りです。これを解決する事はコストにつながり、再計算すると、価格的には石炭が一番安い発電になると思われます。

しかし石炭にはCO2という課題があります。最もCO2をたくさん排出する発電方法なのです。かつて鳩山総理がCO2排出削減を高らかに宣言して以来、 CO2削減が産業界の重要テーマになったことで、石炭発電は肩身の狭い思いをしてきました。しかし3.11のあと、CO2?そんなことより安全性と、安定 的な電源の確保だろ!という意見が主流になり、さらに日本の競争力低下が懸念されることから、低コストで発電できる石炭が再評価されつつあるのです。

石炭発電所は、そのコストと燃料確保の安定性から、原発と同じく電力のベース部分を受け持っています。つまり、24時間連続で発電して、基礎的な電力消費 に対応しているのです。そして、昼間に伸びる部分については、LNG火力や石油火力、水力が対応すると言う構図になっています。つまり、原発が止まってい る今、原発と同じ機能を担う石炭火力の重要性が増しているのです。

そうした中、私には狙いがあって、石炭(あるいはLNG)の火力発電所を静岡に設置できないかと考えています。原発が止まっている今、静岡県は電力のほと んどを他県に依存しています。これでは、産業県として、あるいは日本のなかでも雄県として認められてきた静岡県として、十分な責任を果たしているとは言え ません。仮に今後も浜岡が止まり続けるとすれば、当然、代替電力を確保する責任があります。そもそも、静岡県には火力発電所がなく、浜岡がフル稼働してい る時でも電力を大量に輸入していたのですから。

その候補が清水港です。清水港には中部電力がかつて火力発電所を設置しようとした場所があります。しかし、かつては石炭火力の環境対応に疑問があったため、県の意向で中止になりました。

そこに、現在中部電力は「メガソーラー」を設置しようとしています。メガソーラーとは、広い敷地に太陽光パネルを敷き詰めて発電すると言うのですが・・・私はこれには、
「そもそもソーラーのメリットは、住宅などに小分けにできる事と、屋根などに設置できること。広大な土地は他に利用価値があるので意味がない。平時なら、 そういうパフォーマンスもいいかもしれないが、今や寝ぼけた事を言っている場合ではない。原発を再稼働できる状況にないので、安定電源をどう確保するか、 真剣に取り組まなければならない」と発言し、メガソーラー設置には反対しています。

そもそもこのメガソーラーでどのくらい発電できるのか。中部電力の資料によると、一年間に発電する量は840万キロワット時で、これは・・・浜岡原発5号 機なら6時間、碧南石炭火力全体なら2時間で発電する量と同じです。つまり・・・発電所というより、誤差の範囲のようなものです。

私は、電力というのはひとつの方法に依存するのは大変危険で、それぞれの長所を生かした発電ミックスが望ましいと思っています。そういう視点では、メガ ソーラーは、聞こえがいいだけで短所が浮き彫りにされる発電なんですね。これにかかる40億の費用は、いずれ私たちの電気料金に転嫁されます。パフォーマ ンスのためにそんな費用を使っていいのか、そういう意味でも、真剣に議論しなければなりません。

それからすれば、やはり清水の広大な敷地は火力発電所がふさわしいと思います。石炭は粉じんや排気の問題が心配なのですが・・・当然ですが、昭和の時代か ら技術は進歩しており、日本の最新技術と繊細な管理で、粉じん問題は皆無とのこと。もちろん排気も徹底的に管理されており、地域に影響が出ることはないと 思われます。

とはいえ、環境アセスメントはしっかりやらなければならないので、急いでも5年程度はかかるのではないでしょうか?そういう点でも、早く意思決定をし、先手先手を打って行かなければなりません。

今後もう少し調査・研究を進めて、県の産業力を安定的にするためにも、安定電源の確保に貢献するためにも、さらにはポスト浜岡の発電所を確保するために も、県内に火力発電所の設置を進めたいと思っています。県政は地味ですが、仕込んだ政策は確実に地域の力になります。これまでも、政策の実現にこだわっ て、大小いくつもの政策を形にしてきました。これからも、近い将来を見据えた政策を作り、その実現にこだわって活動を進めてまいります。

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