滋賀1区(自民党) 大岡敏孝(おおおか としたか)
2012.02.16 (木)

24年度予算案発表

先日、県の24年度予算案が発表されました。

私たちが県議会において議論を重ねてきたことが、予算として反映されています。私が提案してきたものの中には、採用されたものも不採用のものもありますが、「言わない限り、採用されない」のがルールですので、これからも提案をし続けたいと思っています。

その中で、私がこの2~3年取り組み続けて、ようやく採用に至ったのが「企業誘致の対象拡大」です。

これまで、静岡県の企業誘致は「製造業」のみに限られてきました。もちろんそれは、他県からの誘致だけでなく、地元企業の規模拡大も対象として製造業の発展に寄与してきました。私の出身であるスズキを含む多くの企業が、県の助成制度を活用して、地域に根差したモノづくり企業として、地域とともに発展してきた経緯があります。

しかし一方で、私は、リーマンショック以降、さらには円高が定着し始めて以降、モノづくり企業のみに頼った県経済の発展に限界を感じていました。そこで、そのころから他の成長分野を取り込めないか、静岡の地勢上、成長が見込める分野はないかと研究しながら、県当局と協議を続けてきたのです。もちろん本会議や委員会でも質問として取り上げ、知事の答弁を引き出す努力もしてきました。

そうした中、来年度予算では、企業誘致の対象拡大が採用されることになりました。これは本当によかったと思っています。今回の拡大では、私が静岡の地勢上有利と主張してきた、「物流事業」を対象に加えることができました。ただでさえ、静岡は東京と大阪のど真ん中で、一日で配送できる地域の人口が最も多いとされる県の一つです。さらに、今年の4月には第二東名が開通します。このチャンスを生かすしかない。そこで、かねてから主張してきた物流分野を重要な成長軸とさだめて、企業誘致や県内既存企業の事業拡大を後押しすることに決まりました。

さらに、医療や食、環境などの成長分野も対象とします。こうした分野は静岡は比較的弱かったのですが、モノづくり産業などとの連携も期待できるので、可能性は高い分野だと思います。また、他の地域にはない、豊富な水があります。今後、世界的に水の争奪戦が予想される中、水を豊富に持つ静岡県の強みを生かすべく、今のうちから手を打っておかなければなりません。

今回の企業誘致政策の進展は、私にとっても達成感のあるものでしたが、残念なのは予算規模自体は縮小してしまったことです。これは、現在の静岡県の新規企業立地の状況をみると、やむを得ないことなのかもしれません。私としては、せめて前年度並みを確保したいところでしたが。

また、これまでの製造業の企業誘致と違い、物流分野や成長分野は「足が速い」という特性があります。したがって、立地すれば当分その場所にとどまり生産と雇用を確保できる製造業と違った対応が必要になります。また、生産資源を原則自社保有する製造業と違って、物流や研究開発型の企業はすこし経営形態が異なります。ですから、当面は手さぐりしながら支援や県との連携のルールを作り上げてゆくことになるでしょう。

いずれにしても、地域経済の活性化、中小企業支援は私のライフワークの一つです。そのために、中小企業診断士の資格も取得しました。日本の経済が低迷する中、私は地域企業の突破力に期待し、それをしっかりと後押ししてゆきたいと思っています。

2月21日の開会、そして3月16日の閉会まで、当分は議案研究の日々となりますが、来年の成長に向けた議論を深められるよう頑張りたいと思います。

また皆さんのご意見をお聞かせください。

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