滋賀1区(自民党) 大岡敏孝(おおおか としたか)

2012年10月の記事一覧

2012.10.23 (火)

田中法務大臣が辞任

今日、田中法務大臣が辞任しました。

結局一度も国会で答弁する事もなく、何の仕事もせずに辞任したと言う事になります。私も田中さんの人格識見は知りませんが、元民社党の人たちで作っている民社協会のトップ、つまり、私の対抗馬(大物議員に対してこの言い方も失礼な気がしますが、ほかに言葉がないのでご容赦いただきたいと思います。)である、川端元大臣の兄貴分にあたる方です。

人物評はよくわからない以上申しませんが、報道によると、論功行賞で大臣をばらまいて、すぐに辞任、また元大臣が一人増えた・・・というのは、まったく国民を馬鹿にした話です。民主党はいったい何のため、誰のために政治をやっているのか、という根本的な疑問を感じる出来事です。ましてこれが今回だけではなく・・・毎年、毎回この手の話ばかりで、もはや政権を担う、つまり日本と日本人のために働く、気概も人材も尽きてしまったと言う感じですね。

そもそも、代表選挙で自分を支持したとか、選挙で頑張ったとか・・・その手の論功行賞で大臣をばらまくのは、民主党も、もちろん自民党も、やめなければなりません。これは元をただせば、田中角栄さんが栄華を誇った時代に、自民党が作ったシステムです。当選何回で大臣適齢期とか、がんばったから大臣にしてやるとか・・・これが日本の政治をダメにした元凶の一つだと考えています。そういう意味で、あれだけ新しい政治を作るとか言っていた民主党が、いまや昔の自民党の悪い面と同じことをやって、その反面、昔の自民党ほどの政策遂行能力は発揮できずに、どんどん日本をダメにしている・・・というのは、国民から見て悲劇ですね。

いつの時代も、トップの仕事は人事と論功行賞が大部分を占めます。その要諦は、「能力も功績もある人間には職位を与えて、能力はないが功績のある人間には、ポストは与えず金やモノや領土を与える」ことです。昔から、為政者は、こうやって組織をまとめ、政治を進めてきました。一方で今の政治は制約も多く、また為政者の経験もなく実態も知らない人間が、いろいろ論評する時代になったことで、トップの裁量の範囲がどんどん狭められてきました。日本の場合、政治のトップよりも、企業のトップの方が、よっぽど多くの裁量を持って人事や論功行賞を行っています。

あえて自民党としての反省例を書くなら、かつて小泉総裁の誕生に大きく貢献したのが、田中真紀子さんでした。本来はこういう方に報いるには、カネを配るのがベストです。しかし、そんなことをしたらいろいろ言われるから、仕方なく外務大臣のポストを配りました。しかしそのせいで外交は混乱し、国も国民も不幸になりました。結局、為政者がカネを配るのはけしからんという、ちっぽけな正義感のせいで、何億、何兆と言う国益が失われるわけです。全体として考えれば、例えば1000万でも配って済むのなら、大臣は能力のある方にやって、功績があるが能力には疑問がある方にはおカネを配って解決したほうが、結局は国益にかなうと言う事になります。

今回のケースも、報道を見るかぎり、田中慶秋さんに論功があったのなら、田中さん本人なり、民社協会なりに、お金を渡して良しとしてもらって、大臣はそのポストにふさわしい人に担ってもらう方が結果として国益にかないました。それが出来ずに、また日本の政治を混乱させてしまったと言う事になります。

誤解を恐れずにはっきり言ってきましたが、私は政治のトップが勝手気ままに国民の税金を論功行賞で配ればいい、と言っているのではなく、民間企業であれ政治であれ、何らかの論功行賞が必要である以上、現実と国益を見極めながら為政者の裁量を認める何らかのルールが必要だと思っています。逆にこれができずに、結局不透明な経緯でポストをばらまいて国益を失ってきた以上、そろそろ反省し、国政を力強く進めるための仕組みの見直しが必要だと思います。

一方で、じゃあ誰がふさわしいのか、ということになると・・・すでに民主党には人材はいません。もはや政権を担う力を失ってしまっています。

来週から国会が始まりそうな気配ですが、私は自民党は徹底して審議に応じるべきだと思います。まちがっても審議拒否など、すべきではないと思います。結果として、今の時点では、自民党は野田さんにうまく乗せられて、食い逃げをされてしまっています。しかし一方で、このままだらだらやったところで、民主党の支持率は下がる一方です。つまり、自民党の損得だけを考えれば、もはや「早く解散しろ」という動機はなくなりました。

しかし、常に日本の事、日本人の事を考えることこそ、私たちの仕事です。もちろん党利党略も少しは考えてしまうのが人間の常でしょうが、国益に優先することがあってはなりません。これは、厳しい戒めとして、政治家を志す者は心に刻み込まなければならない事です。そこで、国益を考えたら・・・「ただちに解散して新しい政権を樹立し、経済、国防、教育などに全力で取り組める体制を作るべき」ということになります。

世の中には分かりにくい論調や、知ったかぶりの論調が多いので、おそらく誤解も生じると思いますが、私は「日本のため、国益のために、衆議院を解散し、新しい政治体制を作るべき。一方で、解散までの間は、自民党は全ての審議に応じ、採決に応じるべき」と、堂々と主張し続けたいと思います。

2012.10.16 (火)

開かない国会

日本は防衛・安全保障も、経済も、財政も、問題は山積なのに、なかなか国会が開きませんね。いったい何を考えているのでしょうか?そうこうしているうちに、衆議院の補欠選挙が始まってしまいました。常識的には、選挙の最中に国会を立てることはないので、おそらく11月になるのでしょう。そうすると、巷間言われている12月9日の総選挙は難しいのかもしれません。早くて翌週16日でしょうか。

国会は、臨時会について、野党が開会を求めることもできます。(通常国会はかならず1月に開かれるので、これは求めるとかそういうことはありません。)衆議院か参議院の4分の1の議員が要求すれば、臨時会を開かなければなりません。特例公債法案もほったらかしにして通常国会を閉じてしまったので、地方財政を含めて影響が出始めています。そうしたことをうけて、責任ある政党として、自民党が臨時会の開会を求めてもいいのではないかと思っています。もちろんその前に、いまいろいろ段取りしていると思いますが、与野党の党首会談で具体的に合意を進めることが何よりも必要です。にもかかわらず与党が責任を放棄するのなら、野党主導で臨時会を求めるべきだと思います。

この特例公債法案、いろんな意見が出ていますね。私も、毎回毎回この特例公債法案でもめて、国会が空転したり、くだらない取引が行われたりすることには反対です。この際、与野党でしっかりと合意して、特例公債法案と予算案を連動して審議・採決するなど、申し合わせをするべきです。もちろん根本的には、私自身も「日本は自主憲法を制定すべき」との立場ですから、憲法を改正して「衆議院の優越」を拡大すべき(同時に、参議院を良識の府として定め、参議院からは大臣などの政府役員を出さず、政局・政争を持ち込まない工夫をすべき)だと思っています。

しかし一方で、このおかげで、尖閣諸島沖の漁船衝突事件の対応で世界中から嘲笑されるなど、あまりにひどかった菅政権を失脚させることもできました。一時は居直りと居座りを決め込んでいた菅総理をひきずりおろしたのも、この特例公債法案です。このときは、政局うんぬんよりも、国民のため、日本のために、菅総理をなんとかして替えてほしいという世論があったので、むしろ歓迎された面もありました。

今回はどうなのでしょうか?まさにこれは、各党のメディア戦略と、日常活動を通じての国民との信頼の度合いによると思います。私の知るところでは、まだ国民生活レベルでの具体的な影響までは出ていませんが、12月になれば国・県・市町村の職員、警察官や学校の先生まで、公務員の給料とボーナスの支払いがありますし、生活保護費などは国庫補助が4分の3で毎月の支払いが必要です。これまでの地方議員の経験上、年内に成立しないと、影響が出始めるでしょうね。そうなると、ただでさえ国内経済も良くないので、日本全体の景気にも悪影響が及びます。まして、昨今言われている中国経済の問題や、スペインを起点とするユーロの問題なども含めて、予断を許さない状況になるでしょう。

こうしたことに、まず責任を負うのは、自民党のほうでしょうか?これは、キチンと言っておかなければならないので、あえて申し上げますが、この責任を負うのは間違いなく、今の与党です。与党幹部の中にも、「すべての責任は自民党だ。野党が協力しないから悪い」という言い方をする人もいますが、これは自分たちのことを棚に上げて良く言うよ、という話で、そもそも国会を回し、議案を通す責任は与党側にあるので、そういうなら与党と野党を交代しなさいということです。トランプで言えば、カードを配ってゲームを進めるのが親の責任で、子は配られたカードをもとにゲームを進めるので、カードがうまく配れないのを子の責任にされても困るという話ですね。それなら、親と子を交代しようと申し出ればいいだけの話です。そうすれば、今までどおり、カードの配り方が悪いとか、不公平だとか、野党らしく文句を言えるということです。

とはいえ、自民党には、これからの日本を立て直してほしい、正常化した国会をつくり、世界の中で日本が責任ある立場を占められるようにしてほしい、という期待にこたえなければなりません。ただ足を引っ張るだけ、と思われてはなりません。陰湿な取引を、間違っても持ちかけてはなりません。新しい安倍総裁のもと、クリーンでオープンな議論を進めてゆかなければなりません。そういう点では、正々堂々と国民の前で議論し、協力すべきは協力する、党利党略ではなく、日本をどうするかという議論を前面に出して戦ってゆかなければなりません。

そういう点で、状況によっては自民党から臨時会の開会を求め、自民党が積極的に国会をリードする流れを創ってもよいと思っています。解散は遠のくかもしれませんが、自民党が責任ある姿勢を示し続けることこそ、失った信頼を回復し、新しい日本を国民と共につくってゆくという期待を集めるものだと思います。遠回りなように見えて、これこそ次の総選挙で国民の信頼をいただく一番の近道だと思います。

今の内閣のあのメンバーであれば・・・また、韓国の議員と一緒に竹島の領有権放棄を主張した日本の国会議員も民主党に復党したようですが・・・こんな得体のしれない人たちがうごめく民主党なら、放っておいても、どんどん支持率は下がります。だからそんなことは気にせず、ひたすら日本のため、国民のために汗を流す自民党であってほしい。わき目も振らず、今日本が抱える課題を見つけ、議論し、解決する政党であってほしい。私も新人支部長で、国会で議論できないことが歯がゆい時もありますが、地方の現場で、街頭演説などで、多くの国民に課題を語り、自分なりの解決策を語ってゆきたいと思います。国民との対話こそ、政治の原点だと思っています。

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