滋賀1区(自民党) 大岡敏孝(おおおか としたか)

2014年06月の記事一覧

2014.06.30 (月)

滋賀県知事選挙

滋賀県知事選挙が始まりました。

今日は、最初の土日を終えたところです。ご存じのとおり、私たち自民党は、公明党、維新の会(県)、みんなの党(県)の皆様とともに、「こやり隆史」さんを支援しています。また、民主党の衆議院議員であった三日月さんが、議員を辞職して知事選挙に出馬されました。こちらは、現職の県知事である嘉田さんや、労働組合の連合が支援しています。あえて、民主党の推薦は取らない方針のようです。共産党が応援する坪田さんも出馬されていますが、数字の上では「こやり」さんと三日月さんの一騎打ちとなっています。

報道の上では、「嘉田知事が引退した後の、県政の方向性が争点。嘉田路線を踏襲する三日月氏と、自民・公明を中心に経済や教育に力を入れる小鑓氏の戦い。」ということになっているようですが、もともとは嘉田さんが三選出馬をすることを前提に、私たちは対抗馬を擁立する方針を立てており、その中で小鑓さんを最もふさわしい人として選任しました。

振り返ると8年前、自民党と民主党が相乗りしていた現職の国松知事に対し、突如出馬してそのまま勝利したのが嘉田知事でした。当時の自民党や民主党はまったく油断していたようで、そこに奇襲をかけ、「新幹線の新駅は要らない、ダムはいらない、もったいない」と主張して、見事に勝利をされたのでした。当時はマスコミもまんまと奇襲され、多くの報道が「争点は新幹線新駅の建設と、ダムの建設の是非」とする様相で、まさに嘉田さんの作った土俵にみんなが乗って、みんなやられてしまったわけです。

お金もないし、組織もない、まったく選挙の素人が手作りで作った陣営で、争点を作り、世論を動かし、勝利に導いた手腕は、それはあざやかなものです。少数で大軍を破った織田信長のようにも見えますし、群衆を動かした奇兵隊の高杉晋作や、八路軍の毛沢東のような、すごい軍才を示されたのだと思います。私自身も、国会議員に立候補するまでは無所属を貫いており、選挙のたびに自民党や民主党の大軍を相手に戦って独自の立場をつくってきましたから、それを県全体のレベルで行うことの困難さは、本当によくわかります。私には、県議会の1選挙区レベル、ひとつの市のレベルでやるのがいっぱいいっぱいでしたので。その何倍もの規模の県全体のレベルで、自民党や民主党を相手に回して、独自の立場をつくったというのは、本当にすごいことです。

その後、4年たって改選になったときには、嘉田さんは民主党の支援を受けました。私たち自民党は、元衆議院議員の上野さんを候補者として擁立しますが、準備期間が短かったこともあり、当時の自民党に対する逆風もあり、残念ながら負けてしまいました。この時も抜群の強さを見せつけられましたが、私の目から見ると、一回目のようなあざやかさは無くなっていたのではないかと思います。自民党も民主党もまとめて相手に回して大立ち回りを演じた、一回目の力はどうなっていたのか・・・私は当時は静岡県にいたので、詳しい分析はできませんが。

それから、私たちの衆議院選挙の時、これも突如として、民主党を離れた小沢一郎さんと組んで新党を結成し、党首に就任されました。日本未来の党です。この行動力は、まさにデビュー戦を思わせる、電光石火のものでした。私はすでに自民党に入党し、滋賀1区の候補者として戦っていた時でしたので、嘉田さんの「未来の党」と、橋本さんの「維新の会」の動きに戦々恐々としていたのです。というのも、日本全国の1区に共通する特徴なのですが、有権者の反応速度が速く、経済政策や行政改革など民間的な視点の政策の支持が高いので、未来や維新への支持の広がりが結果に大きく影響を与えるからです。この点は、事実上、民主党政権3年間の信任が問われた他の選挙区とはちがう点です。

しかし残念ながら、この試みは失敗に終わりました。県内では一定の支持を得たものの、党としては9議席と、あまりふるわない結果となりました。小選挙区で当選したのは、小沢一郎さんと、亀井静香さんのみです。もちろん私が出た滋賀1区においても、未来が候補者を立てず、維新が準備期間の短さから伸び悩んだため、かろうじて、私も自民党の議席を確保することができたのです。

その後、嘉田さんは知事に専念すると発表され、今年行われた「自身のマニフェストの自己評価」でも、「88点」「まだまだの項目もあるので、努力を続ける」とおっしゃっていたことから、当初は3選を目指しておられたのだと想像します。当時は自民党も方針を決め切れておらず、「嘉田さんと政策協定を結んで推薦すべき」という意見もあれば、「民主党と組んで、嘉田さんの対抗馬を出すべき」という意見もありました。私は、過去の嘉田さんの選挙を肌で体験しておらず、本当の強さを知らないこともあり、「昨年来、滋賀県の子供の学力が低いことが明らかになった。河川整備の遅れによって水害が拡大した。経済の回復において、滋賀県は近畿で一番遅れている。教育、防災、経済と重要な部分に課題があって、自民党は解決の方策を持っている以上、独自候補を擁立すべきです。」と主張していました。

それから、党内でいろんな議論をし、結果として、「自民党で候補を立て、まず公明党に声をかける。そして国政における野党にも協力を求める。」という方針が決定しました。この方針に従って、候補者探しを始め、そのなかで「こやり隆史」さんという素晴らしい人物に出会えたわけです。こやりさんの「人柄」と「政策力」を高く評価して、自民党が擁立し、まず公明党から推薦をいただきました。その後、人物を良く査定していただいて、維新の会、みんなの党からも推薦をいただくにいたりました。

一方で、嘉田さん側や民主党側の動きは、私は詳細に知りません。報道によると、三日月さんが出馬の意欲を示し、人を介して嘉田さんと三日月さんが協議し、嘉田さんが引退してその後継者として三日月さんが立候補することになったようです。当初は野党に共闘を呼びかけられましたが、維新とみんなが「こやり」さんを推薦したことで、民主党からも推薦をもらわないようになったようです。ただし、労働組合の連合からは推薦を取り付けられたようです。

こうした流れで、今回の県知事選挙は始まりました。私たちは、嘉田さんにマイナスの評価をしているわけではありません。8年間の間に、環境や女性の活用などでは一定の成果を出されたものだと思います。また、嘉田さん以前の県政に対して、新しい風を吹き込まれたのも事実でしょう。自民党から見ても、嘉田さんのおかげで自民党の欠点も弱さも見えましたし、反省の材料になりました。マスコミ関係者からは、「悪そうに見える自民党議員が嘉田さんを罵れば罵るほど、嘉田さんの支持率が上がる」と言われ、つらい思いをしましたし、(「誰の事かな?」とも思いましたし・・・)自民党を改革する決意にもなりました。私たち自民党はいま、国の自民党も地方の自民党も、これまでの良くない点を反省し、総裁の決意のもと「皆さまとつくる新しい自民党」として再スタートしていますが、その材料を頂けたのは事実だと思います。

いよいよあと2週間の選挙戦となりました。私たちが応援している「こやり隆史」さんは、「教育」「経済」「道路や川の整備」を重点的な政策分野として、連日県内各地で活動をしています。一部では、「派手さがなく地味だ」「演説にパフォーマンスがない」などという意見もいただいています。

しかしそのたびに、私は申し上げています。「実は、県知事候補を選ぶときに、いろんな議論をしました。選挙に勝てる人がいいとか、若い女性がいいとか、話のうまいアナウンサーがいいとか、派手さがある人がいいとか。でも、議論したら、全部却下されたんです。それは、本当に県民はそういう知事を求めているのか?という疑問に答えられなかったからです。県民がどういう知事を求めてるのか、という問いに、まっすぐに応えられる候補者にしようということになりました。県民は派手な知事を求めているのか。パフォーマンスのうまい、泣ける話や面白い話ができる知事を求めてるのか。感情交じりの話でつかみのうまい知事を求めているのか。違うでしょう。そんなものなくても、まっすぐで、人の痛みのわかる、まじめに、わき目も振らず、知事の職をまっとうしてくれる人がいいでしょう。口だけじゃなくて、実際に政策を前に進めてくれる実務家のほうがいいでしょう。こやりさんは、まさにそういう人です。県民一人一人に「どういう知事を求めているのですか?」と聞いてみてください。その答えにぴったりくるのは、今回の候補者の中では、間違いなく、「こやり」さんのはずです。」と。

http://www.koyaritakashi.net/#mce_temp_url#

県知事選挙の投票日は、7月13日です。結果として嘉田さんは引退され、嘉田さんのあとの知事はだれがふさわしいのか、皆さまに選んでいただきます。さきほどの例で話せば、ノブナガの後をまたノブナガである必要はありません。毛沢東の後にまた毛沢東では、滋賀県の新しい可能性への発展はありません。そういう意味で、ノブナガのあとに、秀吉、家康が続いたように、嘉田さんの後は実務家の知事、まじめにコツコツ仕事をする知事、ブレずに職をまっとうする知事がその仕事を担い、滋賀県を整えるべきです。

7月13日の投票日まで、毎日が投票日です。期日前投票はすでに県内各地で行われています。詳しくは、各市のホームページで確認してください。どうか、皆さまの一票は、「こやり隆史」さんに賜りたいと思います。「こやり隆史」さんとともに、皆さまの力で、新しい滋賀県の扉を開きましょう。豊かな経済があって、働く場所がたくさんある。子どもの学習環境が良く、子どものいろんな能力を引き出せる。安全な道路、渋滞の少ない道路があり、災害にも強い地域。そんな滋賀県を、皆さまの手でつくってゆきましょう。そのために、皆さまの力を貸してください。どうかよろしくお願いいたします。

2014.06.25 (水)

集団的自衛権 その2

連続して書かせていただきます。

集団的自衛権の行使を含む、日本の防衛環境や法整備の見直しについて、政府は具体的な事例として15のケース国民に示しました。

これらのうち、代表的な8つの事例について、私の考え方を書いておきます。なお、これらはマスコミや各種団体のアンケートがありましたので、同様の主旨で回答しておきました。

今回のグレーゾーン対応、緊急時の国民保護、PKO活動時などでの民間人の保護は、いわば日本としての行動基準を変更する議論であり、極めて重要な議論です。国民のあいだでしっかりと議論しなければなりませんし、私たちはしっかりと情報提供し、説明責任を果たさなければならないと考えています。

今後の国会審議、さらにはその前の公明党との協議に先立って回答しておりますので、今後党内の議論や国会内での議論があるので、党としての考え方に変更が出るかもしれませんが、少なくとも私自身の考え方、今の時点での考え方を皆様にお示ししておきたいと思います。

具体的な事例について

以下の「武力行使に当たりうる活動」としての事例について、日本が国として対応すべきかどうか、認めるべきかどうか、回答してください。

①近隣諸国で武力攻撃が発生。避難する日本人を含む民間人を輸送しているアメリカ艦船を、自衛隊が防護すべきかどうか。

出動して防護すべき

理由:日本人の命を守るためにアメリカその他の輸送船が活動しているときに、これらを外国の攻撃から守る行動であるので、これに関するオペレーション全体を自衛隊の僚艦とみなして防護すべきである。

②近隣で武力攻撃が発生し、アメリカ艦船(補給物資を乗せた輸送船など、防御力が弱いもの)が公海上で武力攻撃を受けている。防護すべきかどうか。

出動して防護すべき

理由:在日米軍施設への補給線を寸断・破壊することは、在日米軍そのものへの攻撃とみなせる。さらに、在日米軍施設は日本の領土内にあるため、在日米軍施設への攻撃は日本への攻撃に連続するものであるとみなせる。したがって、このような場合には集団的自衛権を発動し、米軍艦船を守ることで、日米同盟の維持とわが国の防衛力の確保に努めるべきである。

③近隣で武力攻撃が発生、アメリカが攻撃を受けている。攻撃国への武器等の物資を輸送していると思われる船がある。その船に停船を要求し、検査できるかどうか。

強制力を持って停船・検査すべき

理由:いわゆる臨検であるが、これは強制的な警察行為であり、怪しい船は「従わなければ撃つぞ」と言わない限り絶対に従わないので、武力を伴う行為となっている。大量殺りく兵器を含む武器を輸送する船を見逃すことは、その直後に米軍の戦死者の増加、あるいは民間人犠牲者の増加につながることが簡単に想像できる。したがってこれを見逃してはならず、集団的自衛権を発動し、大量殺人を目的とする武器の戦場への供給・使用を未然に防ぐべきである。

④アメリカと交戦し、日本へも敵対的声明を出している国が、アメリカに向けて、日本の上空を横切る弾道ミサイルを撃った。迎撃すべきかどうか。

迎撃・撃墜すべき

理由:日本及びアメリカに敵対的声明を出している国からの攻撃であるので、第一撃がアメリカ、第二撃が日本ということは簡単に想像できる。したがって第一撃から集団的自衛権により弾道ミサイルからの防衛を発動することで、日米連携して大量殺りく兵器から両国民を守るための行動をとる必要がある。逆に、第一撃が日本の目の前を通りながら何の防衛行動もせずアメリカに直撃したとすれば、第二撃をアメリカが守ってくれる保証はない。

⑤アメリカを巻き込む武力攻撃が発生。日本に対しても、敵対的声明を出している。アメリカのイージス艦がミサイル対処のため、防衛力が薄くなっている。防護すべきかどうか。

防護すべき

理由:このケースにおいて、アメリカのイージス艦は日本及びアメリカを弾道ミサイルから防衛するために警戒に当たっているので、これは自衛隊の僚艦とみなしてオペレーション全体を防衛するべきである。

⑥アメリカ本土がすでに攻撃されている。日本に対しても敵対的声明を出している。作戦中のアメリカ艦船のうち、防御力の弱い輸送艦や補給艦を防護すべきかどうか。

防護すべき

理由:日本とアメリカに対して敵対的声明を出している国が、まず第一撃目としてアメリカ本土をミサイル攻撃したということは、第二撃は日本であることが簡単に想像できる。したがって、第二撃を抑止するために軍事行動しているアメリカの艦船を防護することは、日本の防護とも同義である。

⑦ホルムズ海峡など、重要な航路において、武力攻撃の一環として機雷が設置された。商業的な船舶が被害を受ける可能性がある。撤去すべきかどうか。

撤去すべき

理由:そもそも機雷は、不特定多数の船舶を攻撃するもので、民間人の死亡や大がかりな通商破壊が起こりうる。また、仮に上陸を阻止するためのものだとしても、浮遊してどこへ行くかわからないことから、早急に除去し航海の安全を守ることは、必要な警察行為である。民間の艦船を守り、わが国の存立にかかわる通商航路を守るために、機雷の除去をすることは、憲法上も当然認められるべきである。

⑧ホルムズ海峡など、重要な航路の周辺で武力攻撃が発生した。すでに民間船舶が被害にあっている。これらの民間船団を、国際的に共同防衛すべきかどうか。

国際的に共同で防衛すべき。

理由:通商破壊による危機、とりわけ資源を持たないわが国にとって、エネルギーを封鎖されることは、わが国の存立にとって重大な危機である。したがって、日本に向かう商船隊を含む艦隊を防護することは、日本の自衛権の範囲内であり、仮に同じオペレーションに参加する他国の艦船が攻撃された時には、日本の自衛隊の僚艦とみなして防衛するべきである。

集団的自衛権 その1

国会の終盤に大きな議論になったのが、3本の矢ならぬ、3本の争点です。報道で言われている、「農協中央会解体」、「集団的自衛権」、「法人税減税」ですね。

私のとらえかたから言うと、「農業改革における農協の役割の見直し」、「時代や環境の変化に伴う安全保障の見直し」、「国際競争に勝ち抜くための法人課税のあり方全体の見直し」なんですが、どうしても「見出し」重視で報道されると、本質が見えにくくなってしまいます。

まずその前提として、国会終盤になっても手を抜かずに、新しい改革を出し続ける今の政府の姿勢は、私は素晴らしいと思っています。確かに、民間企業からすると普通のことなんですが、これまでの国会の常識からすると、「早すぎ」「急ぎすぎ」「あせっている」という批判になってしまいます。冷静に考えると、批判には当たらないことがわかるのですが。時代のスピードは、50年前のおそらく数倍の速さになっています。それがいまだに、国会という場所は、55年体制のようなイデオロギー論争に持ち込みたがる人たちがたくさんいて、それと同じように、スピード感も50年~60年前のままの人たちもいます。一つはっきり言えることは、そんなスピードでは、今の国際社会を引っ張ることはおろか、ついてゆくのも難しいということです。

さて、話を集団的自衛権に戻すと、マスコミ各社や、さまざまな団体からアンケートをいただきました。できるだけ丁寧にお答えしているつもりですが、おそらく文字数の関係などで全部掲載されないかもしれません。今回政府は、安全保障のグレーゾーンの解消と、国民保護、国際貢献で集団的自衛権を含む法改正が必要な分野として、15の事例を示しました。それぞれの事例について、これから政府は法改正の原案を示し、それを国会で議論するわけですが、それらの事例について各議員がどのように考えるか、賛成するのか反対するのかが、重要になります。

基本的な考え方と、具体的な15の事例のうち、マスコミなどから問い合わせの多い代表的なものについて、私の回答を皆様にお示ししておきたいと思います。

ぜひ、これらのことについて、皆様のご意見をお聞かせいただければと思います。

基本的な考え方

1、そもそも、集団的自衛権の行使容認について、どのように考えるか?

①全面的に容認 ②限定して容認 ③容認するべきではない ④どちらでもない

大岡の回答 ②限定して容認

理由:日本政府が国民や領土を守るための「権利」としての集団的自衛権は、基本的に幅広く認められるべきだと考えます。そのうえで、その権利を行使すべきかどうか、行使する防衛力があるかどうかは、当然ながら権利の幅よりも狭く、状況により判断すべきであり、自衛隊法などの制限、防衛大綱などによる透明化と国民的議論、国会の関与などによる統制が必要だと考えます。

2、容認する際の手続きについて、どう考えるか?

①憲法改正をするべき ②将来的には憲法改正、当面は憲法解釈の変更 ③憲法解釈の変更 ④その他

大岡の回答 ②将来的に憲法改正、当面は憲法解釈の変更(当面はというか、今回の事例に限っては、という意味で)

理由:1の答えと連動しますが、当面は、グレーゾーン対応や限定的な集団的自衛権を認めることにより、日本人を含む民間人の保護や、領土の確実な保全、同盟国の僚艦の保護を認めるべきです。将来的には、さらにしっかりと国家、国民、領土を守り、諸外国から信頼される専守防衛の国としての地位を確立するためにも、憲法改正とともに集団的自衛権を認めるという国民的な理解と合意をなすべきだと考えます。

3、憲法解釈の変更によって集団的自衛権を認めることは、憲法で国家の権力を縛る立憲主義に反するという指摘がある。どう考えるか?

①問題がある。 ②問題はない。 ③どちらでもない

大岡の回答 ②問題はない。

理由:仮に、わが国の憲法が、わが国あるいはわが国の国民に重大な危機があるにもかかわらず、自衛権の発動を否定しているとすれば、いったい誰のための憲法か?ということになってしまいます。したがって、少なくとも今回政府が提案し、与党で議論している集団的自衛権の範囲が立憲主義に反しているとは考えられません。ただし、こうしたことを国民に説明し、しかるべき時期に選挙によって国民の判断を得る必要はあると考えます。

4、集団的自衛権の行使を容認する場合、近隣諸国の理解を得る必要があるか?

①必要である。 ②必要でない。 ③どちらでもない。

大岡の回答 ①努力することは必要である。

理由:理解を得る努力は必要ですが、北朝鮮は言うに及ばず、中国は日本にとっての軍事的脅威であるので、すべての近隣諸国の理解を得ることが行使容認の条件ではありません。今回の件はあくまで、「国民と領土を守る力」の抜けた部分をふさぐために行うことであり、政府が提案し、国民に周知し、国民の意見を踏まえて国会で議論することが条件だと言えます。

2014.06.21 (土)

国会が閉会

しばらくブログの更新を忘れておりました。

昨日、約6ヵ月間の国会が閉会しました。先輩議員は、「今年の国会も忙しかった」とおっしゃっていましたが、去年の通常国会が長かったせいか、私にとってはあまり長くは感じませんでした。

ただ、法案審議は本当に忙しくて、特に私が所属している委員会のうち、内閣委員会は盛りだくさんの内容でした。

幹部公務員の人事を一元化する「内閣人事局」や、いわゆる日本版NIHと呼ばれる「医療研究開発機構」、たくさんある独立行政法人のルールを見直しする独立行政法人通則法、原子力委員会など、ぱっと思い出すだけでも多くの法律を審査し、通すことができました。

とりわけ、内閣委員会は、内閣官房長官をはじめとする所管大臣が最も多い委員会で、政府の大きな動きやトピックに関した法案審議が多く、全体の動きをとらえられるという特長があります。私たち、一期の議員が入って仕事を覚えるには、非常に良いポジションだと感じています。

安倍内閣の特徴は、とにかくスピードを重視しているということです。野党の議員さんの中には、「何をそんなに急いでいるのか!」という人が多いのですが、これまでの政治のスピードと比較するから遅いと感じるのであって、民間企業だと、当たり前です。最低でもこのくらいのスピードで仕事をしてゆかなければ、世界の市場はおろか、日本の市場であっても勝ち抜くことはできません。私としては、月曜日から金曜日までが充実していることに、何といってもやりがいを感じています。とりわけ内政に関する積み上げられた課題については、スピード感を大切にしながら、やるべき仕事をしっかりと進めてゆきたいと思っています。

一方で、集団的自衛権など、外国との外交や、安全保障の体制作りにかかわるもの、また、自国民に対しても、自衛隊の行動原理を見直すことで、国際貢献や防衛出動のあり方が変わる、つまり日本の行動のあり方が変わるものについては、しっかりと説明責任を果たさなければならず、国民への理解と浸透が必要であることから、これはじっくりと議論するべきだと思っています。

ここで、いろんな立場の方から「国会の議論をしないのに閣議決定をするとは何事か!」というお叱りをいただきますが、これは構造上仕方のない話で、閣議決定をしなければ、原案を作れないからです。閣議決定をして、政府としての考え方や理解を一致させて、そして各省庁が連携して自衛隊法やPKO法の原案の作成にあたり、その原案をもとに国会で審議をし、修正すべきは修正し、最後には賛否を問うというのが、審議の流れです。ですから、閣議決定をしない、つまり政府の方向性を一致させてないのに国会審議をやってしまったら、それはバラバラの答弁になりかねません。憲法の理解も一致していないのに、各省庁は、原案をつくることもままなりません。だから、構造上、まず政府の見解を一致させるために閣議決定を必要とするのです。

そのうえで、私は国会の議論は、しっかりと時間をかけて、いろんな事例を想定し、それに対する外国の行動も想定し、国民への説明責任を果たしながら、議論の過程で修正すべきところは修正しながら、日本の安全保障のあり方を深めてゆくべきだと思っています。そもそも、時代も変わり、国際情勢も変わり、日本に対する脅威の形も変わり、日本に対する期待も変わっているのに、昔ながらの法律をかたくなに守るというのは、国会が仕事をしていないということになります。それにそもそも、私たちの憲法が、国民を守ることを妨げているようなものではないと思いますし、国際貢献をしている中での民間人の保護を妨害しているものではないと思います。逆にいえば、憲法が、有事であっても日本の国民を守ってはいけないとか、日本人を保護してくれている人たちを守ってはいけないとか、民間人、女性や子供が銃撃をされて次々に殺されてゆくのを見殺しにするべきだなどと、日本政府に要求しているとは思えません。そんな憲法であれば、一体だれのための憲法か?ということになってしまいます。

もちろん、私たちが連立を組む公明党さんは、その設立の背景から、平和の党であり、民衆の党です。ですから、公明党を支持する人たちの思いは、私もよくわかります。平和の視点から、民衆の立場から、公明党と良い意味での「妥協点」を見つけ出す作業が必要となりますが、これはしっかりとやってゆかなければなりません。これはまるで、夫婦の会話にも似ているところがあって、必ずしもお父さんとお母さんの意見は一致しませんが、強いお父さんと、やさしいお母さんが議論して、折り合った答えと言うのはバランスの良いものになります。この議論をしっかりとやる必要があります。

7月には閣議決定をすると伺っていますが、「国の幹部レベル」の議論の身ではなく、私たちは私たちで、地元や現場に入り、多くの皆さんとしっかりと議論してゆきたいと思います。上とか下とかはありませんが、国民的な議論が必要なテーマであることは事実です。そのうえで、さらに国会での審議を深め、それを国民に周知し、意見を聞き、いずれかの時点で総選挙によって国民の審判を仰ぐ必要があると考えます。

「今後の安全保障と国際貢献の在り方を争点に、解散総選挙!」とか言っていると、与党なのに解散に言及するとはけしからん、などということを言う人もいますが、私はそうは思いません。選挙って、国民の審判を仰ぐ、国民に決めてもらう作業です。選挙を経て、選んでいただいているので、私たちの言うことを国の官僚や地方公務員も聞いてくれるわけであり、国民全体への奉仕者である彼らは、選挙を経たことによって、私たち議員を国民の代表者と「みなして」くれているんです。この「みなす」作業を重ねることで、日本政府、あるいは地方自治体の行政権がつくられてゆきます。そこには常に「民主主義」を意識し、そのルールにのっとって「統治するための権力構造」をつくってゆくわけです。

特にこの、安全保障の議論は、「日本の行動ルール」を変えるものです。これまで防衛出動できなかった事案に自衛隊を出す、あるいは国際貢献の幅を広げる、ということですから、国民の期待にこたえるチャンス、世界の評価を得るチャンスが増える一方で、戦闘に巻き込まれるリスクは拡大します。当然、死亡する自衛隊員が出る可能性は高まります。もちろん一方で、こうした行動をとらなければ、丸腰の民間人は自衛隊員の数倍あるいは数十倍、数百倍殺される可能性がありますので、本来の役割を果たせるようになるのも事実です。これらのことは、「日本の行動原理を変える」ことである以上、やはり解散総選挙を行うことにより、私たちは国民に説明し、国民の判断を仰ぐべきです。こうした判断が何度も積み重ねられ、そしていろんな事例、それは良い事例も不幸な事例も含めて積み重ねられ、その都度国民の判断を仰ぐことにより、国政は前進するものだと考えます。

私は、常に選挙を恐れず、選挙を忌み嫌わず、むしろ国民の声を聞く前向きの政治行動としてとらえ、いつでも占拠してもらえるように日々の努力を重ねたいと思います。

この週末から、滋賀県知事選挙の準備になります。国会の後半は、候補者の発掘、選定に始まり、選挙準備をしながら国会活動をしてきましたが、いよいよここからは「地元張り付き」で滋賀県知事選挙に臨みます。選挙の話については、またあらためてさせていただきます。

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