滋賀1区(自民党) 大岡敏孝(おおおか としたか)
2014.06.25 (水)

集団的自衛権 その1

国会の終盤に大きな議論になったのが、3本の矢ならぬ、3本の争点です。報道で言われている、「農協中央会解体」、「集団的自衛権」、「法人税減税」ですね。

私のとらえかたから言うと、「農業改革における農協の役割の見直し」、「時代や環境の変化に伴う安全保障の見直し」、「国際競争に勝ち抜くための法人課税のあり方全体の見直し」なんですが、どうしても「見出し」重視で報道されると、本質が見えにくくなってしまいます。

まずその前提として、国会終盤になっても手を抜かずに、新しい改革を出し続ける今の政府の姿勢は、私は素晴らしいと思っています。確かに、民間企業からすると普通のことなんですが、これまでの国会の常識からすると、「早すぎ」「急ぎすぎ」「あせっている」という批判になってしまいます。冷静に考えると、批判には当たらないことがわかるのですが。時代のスピードは、50年前のおそらく数倍の速さになっています。それがいまだに、国会という場所は、55年体制のようなイデオロギー論争に持ち込みたがる人たちがたくさんいて、それと同じように、スピード感も50年~60年前のままの人たちもいます。一つはっきり言えることは、そんなスピードでは、今の国際社会を引っ張ることはおろか、ついてゆくのも難しいということです。

さて、話を集団的自衛権に戻すと、マスコミ各社や、さまざまな団体からアンケートをいただきました。できるだけ丁寧にお答えしているつもりですが、おそらく文字数の関係などで全部掲載されないかもしれません。今回政府は、安全保障のグレーゾーンの解消と、国民保護、国際貢献で集団的自衛権を含む法改正が必要な分野として、15の事例を示しました。それぞれの事例について、これから政府は法改正の原案を示し、それを国会で議論するわけですが、それらの事例について各議員がどのように考えるか、賛成するのか反対するのかが、重要になります。

基本的な考え方と、具体的な15の事例のうち、マスコミなどから問い合わせの多い代表的なものについて、私の回答を皆様にお示ししておきたいと思います。

ぜひ、これらのことについて、皆様のご意見をお聞かせいただければと思います。

基本的な考え方

1、そもそも、集団的自衛権の行使容認について、どのように考えるか?

①全面的に容認 ②限定して容認 ③容認するべきではない ④どちらでもない

大岡の回答 ②限定して容認

理由:日本政府が国民や領土を守るための「権利」としての集団的自衛権は、基本的に幅広く認められるべきだと考えます。そのうえで、その権利を行使すべきかどうか、行使する防衛力があるかどうかは、当然ながら権利の幅よりも狭く、状況により判断すべきであり、自衛隊法などの制限、防衛大綱などによる透明化と国民的議論、国会の関与などによる統制が必要だと考えます。

2、容認する際の手続きについて、どう考えるか?

①憲法改正をするべき ②将来的には憲法改正、当面は憲法解釈の変更 ③憲法解釈の変更 ④その他

大岡の回答 ②将来的に憲法改正、当面は憲法解釈の変更(当面はというか、今回の事例に限っては、という意味で)

理由:1の答えと連動しますが、当面は、グレーゾーン対応や限定的な集団的自衛権を認めることにより、日本人を含む民間人の保護や、領土の確実な保全、同盟国の僚艦の保護を認めるべきです。将来的には、さらにしっかりと国家、国民、領土を守り、諸外国から信頼される専守防衛の国としての地位を確立するためにも、憲法改正とともに集団的自衛権を認めるという国民的な理解と合意をなすべきだと考えます。

3、憲法解釈の変更によって集団的自衛権を認めることは、憲法で国家の権力を縛る立憲主義に反するという指摘がある。どう考えるか?

①問題がある。 ②問題はない。 ③どちらでもない

大岡の回答 ②問題はない。

理由:仮に、わが国の憲法が、わが国あるいはわが国の国民に重大な危機があるにもかかわらず、自衛権の発動を否定しているとすれば、いったい誰のための憲法か?ということになってしまいます。したがって、少なくとも今回政府が提案し、与党で議論している集団的自衛権の範囲が立憲主義に反しているとは考えられません。ただし、こうしたことを国民に説明し、しかるべき時期に選挙によって国民の判断を得る必要はあると考えます。

4、集団的自衛権の行使を容認する場合、近隣諸国の理解を得る必要があるか?

①必要である。 ②必要でない。 ③どちらでもない。

大岡の回答 ①努力することは必要である。

理由:理解を得る努力は必要ですが、北朝鮮は言うに及ばず、中国は日本にとっての軍事的脅威であるので、すべての近隣諸国の理解を得ることが行使容認の条件ではありません。今回の件はあくまで、「国民と領土を守る力」の抜けた部分をふさぐために行うことであり、政府が提案し、国民に周知し、国民の意見を踏まえて国会で議論することが条件だと言えます。

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