滋賀1区(自民党) 大岡敏孝(おおおか としたか)

2019年05月の記事一覧

2019.05.21 (火)

日本の財政を立て直す

私が国会議員を目指した大きな理由が、「日本の財政を立て直さなければ、将来大変なことになる!未来の子供たちに負担を先送りするのではなく、私たちの世代で再建を完了させたい。」という思いを、ずっと持ち続けてきたことです。そのために、産業活性化策や行財政改革、セーフティネットの強化を議論し続けてきました。

国の財政は、企業の財政や、家庭におけるやりくりも同じなのですが、日本のように国力、民力がある場合は一定の余裕があり、言わばある程度の広さがある道を車で走っているようなものです。つまり、景気の変動や政策によって、多少は右に寄ったり左に寄ったりしてもよく、つまるところクルマが道路の上に乗っていて、速い遅いはあるにせよ、国民の期待する目的地に向かって進んでいればよいということになります。

もとより、企業においても、家計においても、財政は良くなったり悪くなったりします。企業は経済の変動や、雇用の状態によって、収益や貯蓄が変動します。また突発的な事故や、商品の回収などで経常的ではない損失も出ます。家計においても同じで、家を建てるとか子供の進学とかで一時的にお金を出すことはありますが、だからといってそうした機会や、さらには災害や事故で一家離散というわけにいかないので、常に一定の蓄え、つまり道路に例えれば、多少風で揺られても大丈夫なように、できるだけ真ん中を走り、それぞれの道路の幅に余裕を持たせて、目的地に着けるように慎重に運転する必要があります。家庭ごとに、所得や資産はそれぞれですが、みなさんよく考え、よく備えながら家計を回しておられるのだと思います。いい加減なことを続けていると、どれだけ資産があろうと所得があろうと、破産したり一家離散したりするというのは、企業も家庭も同じで、そんな事例は世の中にいくらでも転がっています。

国も同じです。日本は民力があり、稼ぐ力がある国です。したがって、いま走っている道は、相当な広さがあります。「日本という国家全体」と「日本政府」とは少し違うものですが、日本全体の力は政府の力の源泉であり、日本全体の方向性を決めるのは政府の仕事、国政の仕事ですので、別々バラバラのものでは決してありません。日本全体は、この例えでは道路でありクルマなので、世界トップクラスの性能ですが、運転手である国政が下手な運転、誤った操作をやり続けると、目的地への到着は遅れ、性能もどんどん削がれていってしまいます。目的地には到着できないどころか、クルマが故障したり、あとの人が大変な出費をさせられるかもしれません。

いま、財政の再建は当初の目標から大きく後退しつつあります。経済の成長や税収の伸びが最初の見込みを下回り、政府の借金は増え続けています。いわば、道路の真ん中からコースアウトの方向に流されていることが止まらない状態であり、早く立て直さなければ脱輪してクラッシュしてしまう、と私は強い危機感を持っています。

一方で、どこからがコースアウトなのか、ギリシャなどはいろいろやっていますが、日本ほど大きな国がコースアウトするとどうなるのか、わからないこともたくさんあります。しかし一つはっきり言えることは、日本は整地されスピードを出せる道路の真ん中を走っているわけではなく、リスクも増えスピードも出しにくい道路の辺縁を走っているということです。税収の確保、無駄な支出の見直しなど、もう一度総点検して、私たちの世代のうちに道路の真ん中に戻したいと考えています。今のままでは、いつコースアウトするかわかりません。慣性力がついてしまうと、あっという間に外に出されます。また、経済危機、災害や天候の変動などがあったら非常に脆弱です。万が一、他国から攻撃され、防衛戦争を戦わなければならなくなったらどうするのか。一定の期間戦い、国を守り抜くための財政的余力は少ないのが実態です。私たちは、政治を担う以上、どんなことがあっても国を守り、国民の暮らしを守り、子供たちの未来を守れる体制をつくらなければなりません。優しくて強い、頼りになる日本政府に立て直してゆかなければなりません。どんどん弱体化する財政の問題に真正面から向き合い、対策を進めることこそ、私たちがやるべき子供たちの世代への責任だと思っています。

そうした中、MMTなど新しい意見が言われ始めています。私は賛同できない考え方ですが、経済の活性化のためならもっと借金を重ねても大丈夫だとする意見です。これは、コースアウトなんてない、エンジンをふかせば目的地には到着する。スピードが重要なので、コースを外れようと関係なく、エンジン出力こそが大事だ、というようなものです。エンジンが吹けなくなる、あるいはエンジンは回っているのにスピードが出ない、そうなったらその時に考えればよい、というのですが、それでは遅いし、回復不能になったら取り返しはつかないと私は考えています。

細かくは、最終的に私たちが取りまとめたものを添付いたしますが、私としては「不承不承納得した」、にすぎず、まだまだ甘いと思っています。これでも足りないと思っています。将来の視点に立ち、効果的な成長政策と共に税収を確保し、無駄な支出を抑えるということを、もっとスピード感と危機感をもって進めるべきだと思っています。政府に財政余力がないと、良いときは良いのですが、何かあったらその政府は極めてもろく、子供たちの世代に苦難を先送りするリスクがあるからです。企業でも、人と人の関係でも、健全な財政状態の人のほうが安心して付き合える、というのは世の道理です。不健全な財政の企業、家計にだらしない人とは付き合ってはいけない、行政から見ると、家計にだらしない人は支援の対象だ、ということです。外国から見て、また国民から見て、日本政府をそのような状態にするわけにはいきません。

また皆様のご意見を聞かせてください。財政は目立たない仕事ですが、国の根幹の仕事、政治家として真正面から向き合うべき仕事として、これからもライフワークにしてまいります。引き続きご支援賜りますよう、よろしくお願いいたします。

令和時代の財政再建についての共通基本認識(概要)

令和時代の財政再建についての共通基本認識(本文)

交通事故で奪われた子どもたちの命

令和という新しい時代を迎え、日本中がお祝いムードの中、滋賀県では本当に悲しい交通事故が起きました。園児たちが散歩しているところに、交通事故で車道をそれたクルマが突入し、二人の子どもたちの命が失われてしまいました。まだ小さな命で、これからいろいろな人生が待っていたのに、と思うと、胸がしめつけられる思いです。心からご冥福をお祈りします。あわせて、多くの方がけがで入院しました。一刻も早い快復をお祈りしています。

この事故を受けてすぐに、国・県・市が協議して、今後の対策を速やかに進めることにしました。すでに交差点周辺の改良は着手しています。市では、すべての保育園、幼稚園、こども園の周囲の道路や、子供たちが多く通る道路の総点検を始めてくれています。国も予算を用意し、子供たちを交通事故から守るために緊急の工事を進める、と二階幹事長が表明しました。国、県、市が息を合わせて、スピード感をもって進めてゆきたいと思います。

一方で、最近増えている高齢者の事故と合わせて、免許制度のあり方にも踏み込まなければなりません。高齢者については、5年更新はしないということになっていて、事故や違反がなくても3年となっています。しかしこれでも不十分だと思っています。高齢者の認知機能の低下の速度を考えると、また人生に一区切りした高齢者が、これから未来が広がっている子供を殺す、という、決してあってはならないことを防ぐには、できれば1年更新、悪くとも2年更新くらいにしなければならないと思っています。これについてもしっかりと議論し進めてゆきます。私たち政治の不作為、政治の遅さが、何人の子供たちを犠牲にすればいいのか、ということを考えれば、遅滞は許されません。

また、高齢者については、更新時に座学だけではなく、実地試験をすべきと思っています。座学では運転技能は維持されないし、判断できません。実際に運転している状況を見て、更新すべきか不許可とするか、検査官が判断すべきだと思います。お役所はこの手の判断の責任を負わされるのを嫌がる傾向がありますが、これは国民の命、とりわけ弱い立場の子供たちの命にかかわる問題ですから、毅然と取り組むよう議論を進めたいと思います。

今回の事故は、しかしながら、高齢者によるものではなく、不注意によるものでした。運転しているときの不注意は、人を殺すこともある、まして、子供たちの未来を奪う可能性があるということを心にとどめて、ハンドルを握るようにしなければなりません。私も最大限の注意をします。皆様も、どうかお気を付けください。また、高齢となられ運転の不安が出てきた方には、勇気をもって免許を返納していただきたいと思います。これまでまじめに働いてきて、家族も守ってきて、人生の最後に犯罪者、人殺しになるのは、本当に悲しく残念なことだと思いますので。

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