菅(すが)内閣が始動
新たに菅(すが)内閣がスタートしました。世襲議員でもなく、資金も地盤もない菅義偉議員が、実力で総理大臣になったことは日本の民主主義が成熟してきたことのあらわれです。私も「たたき上げ」の一人として、全力で菅内閣の政策を前進させます。
「携帯電話料金の引き下げ」について、公約ですので実現しなければなりません。一方で、一人で毎月何10ギガ、何100ギガと使うヘビーユーザーの値下げをすることには反対です。その方々は会社にとっては良いお客さんかもしれませんが、一人で何10人分も回線を使うのが全体最適とは言えません。全員とは言いませんが、ケイタイを手放せず、ケイタイに支配されてしまっている「ケイタイ中毒」になることを防ぎつつ、多くの国民にメリットがある形の「バランスの良い改革」を進めます。あわせて、通信料金引き下げは、あらゆるものが知能化する「IOT」の時代を実現するために必要不可欠です。安いコストで回線を使えることで、教育、福祉、医療、安全、便利など、さまざまな面で生活の変化を実感できるようにしてゆきます。個人の権利や尊厳を保護しつつ、クルマや家電、メガネや腕時計、自転車やベビーカー、学校の机やいす、トイレなどが知能化し、安全や健康、学習のサポートをするようになれば、日本はもう一度世界からあこがれを呼ぶ国となります。
「不妊治療の保険適用」については、私もこれまで力を入れてきた分野ですので、多くの思い入れがあります。しかしながら、現時点では多くの課題があります。まず不妊治療はいまだ研究途上であり、保険適用するに足る手法やコストが定まっていません。成果なども、母体や父親の状態がまちまちなので、確かなことは言いにくいのが現状です。また、誤解を恐れず申し上げれば、高齢の方がより深い治療をすると母体へのダメージが大きいうえ、効果を出すことが難しく、これでは多くの国民の税金や保険料をむだにすることになります。当面は、国民への啓発の徹底(もう少し若いうちから取り組んでもらうなど)、補助の増額、事後対応の強化(不妊治療後のケアも非常に重要)など、進められることを進めるべきです。あわせて、高齢の方には自分の出産にこだわらず、特別養子縁組(望まない妊娠で生まれた子供を実の親のように育ててもらう)を紹介するなど、母体にも、家族にも、社会にも良い「三方良しの子ども政策」を目指してまいります。
「コロナ対策」は、国が治療薬やワクチンの開発を支援して、日本が世界に貢献できる成果を出してゆきます。また、感染防止と社会活動・経済活動の両立をスローガンに、皆様の暮らしと社会をしっかりと守り抜きます。
私も全力で菅(すが)内閣を支えてゆきます。しかしここで、「支える」というのは、なんでも忖度、なんでも言いなりで、総理や官邸官僚の言いなりに動くことではありません。私も国民に選んでいただいた議員である以上、「良いものは良い、悪いものは悪い」としっかり議論できる議員を目指しています。スピード感と、現場主義でしっかりと議論を重ねて結論を出すこと、それが結果として、菅内閣の政策をより正しいものにし、「国民の役に立つ内閣」に近づくからです。菅政権をささえるというのは、まさに菅政権が国民から評価されるものに近づけてゆくことにこだわり続けたいと思います。
ここしばらく、政府の政策は私たち議員の意見を聞かず、自民党内の会議も経ずに進めて失敗したことが多々ありました。マスク国民配布にせよ、全国一斉休校にせよ、あるいは持続化や家賃補助にせよ、もっと党内の会議で意見を聞き、しっかり練ったうえて進めるべきでした。あのお金があれば、ほかにもっと光を当てられたのに、ほかにもっと効果を出せたのに、という知恵が自民党内にはたくさんありました。国民の批判を受け、また野党から追及されて、見直す結果になったものもありました。それならなぜ、まず自民党・公明党でしっかりと議論させてくれないのか、と思いました。これまで、私も党の平場でしっかりと反論してきましたが、残念ながらほとんど聞いてもらえませんでした。しかし、陰で言うとか、マスコミにだけ言うとか、そういうことをせずに、常に党の平場で議論したことを評価してくださる議員もたくさんいてくださいました。
私は、これからも現場主義を貫いて行動してまいります。皆様からご意見をいただき、「良いものは良い、見直すべきものは見直す」、という姿勢で、自民党内あるいは国会の平場で、しっかりと意見し、議論してまいります。それこそが、私に一議席を託してくださった、地域の皆様、国民の皆様の思いだと思っています。
これからの国会も、しっかりと働きますので、どうか引き続きご支援賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。