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名古屋の選挙

先日の名古屋市長選挙、愛知県知事選挙の結果には驚きました。

当選者はだいたいわかっていたので驚かなかったのですが、票の数には驚きました。
愛知県は無所属の大村さんが150万、自民党と民主党の推薦候補がそれぞれ50万前後ですから、実に2位以下を3倍引き離しての当選となります。無所属候補が政党公認候補を相手に知事選挙を戦い、ここまで圧勝した選挙はこれまでなかったのではないでしょうか?

ちなみに前々回の宮崎県知事選挙でも、東国原氏27万に対し、次点の候補が20万ですから。
なお、石原慎太郎氏が圧勝したといわれている平成11年の都知事選挙でも、無所属の石原氏166万票、次点は民主党推薦の鳩山邦夫氏ですが、85万票で2倍も差がついていません。

それ以上に驚いたのは、名古屋市長選挙です。
与野党相乗りの石田氏が22万票に対し、河村氏は3倍の66万票を叩き出しました。2大政党の両方が乗った候補をこれだけの票差で破った例は、市長選挙において過去にないと思います。
実際、石田さんは実績もあり、実力もある方です。政治改革に向けての強い思いも持っておられます。これだけの人を泡沫同様に退けるのですから、恐ろしいと思いました。

新聞などでは2大政党に対する政党不信が原因だといわれています。
しかしそれだけではなく、見事な作戦勝ちだと思います。

事前からマスコミに話題を振りまき、市議会解散の住民請求は事実上の選挙運動でした。そして、住民投票が決まると自らも辞職し、住民投票と市長選挙、さらに愛知県の知事選挙をかぶせてきたわけです。

つまり、河村氏だけは、選挙運動を半年以上やっている。しかも、普通は選挙運動が長引けば長引くほど政治活動費用がかかります。これは戦争が長引けば長引くほど戦費がかかるのと同じです。これだけの運動をやるには、名古屋市長の給料ではとても無理です。それをマスコミやボランティア市民を活用してうまく回してきました。このあたりは、まさにゲリラ戦の首領ですね。恐ろしいほどの作戦遂行力だと思いました。

一方で、多くのマスコミが指摘している通り、二大政党に対する不信、さらに言うと、私自身も含めて、議会や政治家全体に対する不信はピークを迎えています。私が話をしたある議員さんは「それでも市民に選ばれたんだから、マスコミに踊らされて政治家不信なんて言われても困る。じゃあなぜオレに票を入れたんだ」と居直っておられましたが、私は「いや、でも今静岡県や浜松市で議会を解散するかどうかの投票をしたら、解散されちゃうと思いますよ。しかも圧倒的多数で。」と言いました。

私は、今回の件は名古屋市や愛知県の特殊事情だとは思いません。日本全体を覆っている政治不信、政党不信が、たままた名古屋をリトマス紙として現れただけだと思っています。

私自身も市民の声を聞こう、皆さんが困っていることを政策で解決しようと思って努力してきましたが、常に市民からは厳しい目を注がれているという危機感を忘れないように心がけています。
「大岡さんは無所属を貫いているから、二大政党不信は追い風でしょ?」と言われることもありますが、私はそうは思いません。無所属だろうと、政治不信の一部です。

特に地方議会の一員ですから、これからも市民党・県民党の立場で、地域の課題をしっかりととらえ、政策を作って一つずつ解決してゆきたいと思います。「政権交代!」みたいに派手な発言やパフォーマンスはできませんが、一つ一つ実績を積み重ねてきましたので、これからもコツコツやってゆきたいと思います。