メガソーラー
ソフトバンクの孫社長の発言をきっかけに、太陽光発電がさらに注目されるようになっています。
孫社長は、被災地への寄付金の額も、ソーラー発電で示したビジョンも、政治家よりずっと大きなインパクトがあり、私も常に注目している経済人の一人です。
しかし、私は孫社長のおっしゃっている「メガソーラー」には反対の立場です。
それよりも、家庭の屋根や工場の屋根にソーラー発電をつけることを推進すべきだと思います。
というのも、ソーラー発電の最大のメリットは「小分けができる」「単位面積当たりの発電量が一定なので、大きくしても小さくしても効率は同じ」ということだと考えています。
ソーラーは他の発電に比べて不利だという主張があり、その論拠には発電効率の低さを指摘したものが多いですね。そんなことはわかりきったことです。発電効率だけでいうのなら、本質的には原子力がトップ(日本のように必要以上に頻繁な点検を要求することをやめれば)ですが、この原子力が実は今の科学技術では制御しきれないということが明らかになったので、代替のエネルギー源をさがしているのですから。
私はエネルギー源は多様であればあるほどいいと思っていますので、ソーラー一点張りをする考えはありません。それぞれのメリットを生かして、複合的にエネルギー確保をすればよいと考えています。
そうすると、ソーラーの最大のメリット、それは「小分けをしても効率が落ちない」ということですから、小分けをして設置することがベストだと考えます。
逆に「広大でまとまった土地を用意してのメガソーラー」は、ソーラーのメリットを何も生かせないということになります。そんな土地があるのなら、LNG火力発電所を作るほうがよっぽど効率がいいのです。あるいは工業団地として造成するとか、マンションを建てるほうが、土地利用の効率はずっと高くなるのです。そういう意味では、中部電力さんの進めようとしている清水でのメガソーラーはナンセンスだと思います。今からでも見直しをして、LNG火力発電所を建設してはいかがかと思います。
また、あえてメガソーラーをやるのであれば、新幹線の土手の斜面に張るとか、防波堤の斜面に張るとか、使い道のない土地を利用して、「合わせてメガ」というメガソーラーが良いと考えます。
実際に、宮崎県では使っていない、またほかに使い道のない「リニアモーターカーの試験線」の上に細長くソーラーパネルを張って、メガソーラーとしています。こういうやり方がベストですね。
これから始まる6月議会で、県として個別住宅のソーラー発電を補助することにしました。
最大4キロワットを対象に、1キロワット当たり3万円の補助を、県内1万戸を対象に応援させていただきます。これによって、国や市町村の補助も合わせると、4キロワットで40万円程度の応援を受けられることになり、200万円を切る価格で購入可能となります。
これまで県は産業用、市町村が家庭用と何となくすみ分けしてきたのですが、私は新エネルギー特別委員会や会派として「家庭用も県で応援すべきだ」と要望してきました。ほかにも、「ソーラー発電部分の固定資産税の減免」や、「中部電力の基本料金の減免」も法制化して行うべきだと主張していますが、残念ながらこれらはいまだに実現していません。
これからも、新エネルギーの開発や設置補助を進めて、バランスの良いエネルギー源による安定した供給を目指してゆきたいとおもいます。
とかく日本は何かがブームになると「一本やり」になりがちですが、一番重要なのは「多様性」「バランスの良さ」だと思っていますので、この点に配慮して政策のバランスを取ってゆきたいと思います。
また、浜岡原発が止まったことで、静岡県は大幅な電力輸入県になってしまいました。
電気の多くを愛知県や三重県に依存することになります。これは負担の平均化の視点でも好ましくないので、火力発電なのか水力なのかはわかりませんが、発電についても静岡が応分の負担をするように、中期的なビジョンを組み立ててゆきたいと思っています。
明日が議会運営委員会で、いよいよ来週から6月議会が始まります。皆様の役に立つ議論をしますので、どうかよろしくお願いします。