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三方原用水


昨日は三方原用水議連で視察を行いました。

三方原用水は、天竜川にある秋葉ダムから延々と浜松まで持ってきている用水で、農業用水、工業用水、そして生活用の上水として活用されています。

三方原台地の農業地帯は、満州から帰ってきた人たちが生活するため、このあたりの軍用地を開墾したことに始まります。水が不十分で、強酸性の土地であった三方原が、この用水が整備されたおかげで、浜松の農業を支える地域に変貌したのです。

しかし、昭和35年の着工から実に50年以上が経過し、設備の老朽化が問題になっています。いろんなところにガタがきて、水が漏れ始めているのです。ま た、当初に比べて畑地かんがいが増えたため、苗つけなどの時期に合わせて機動的に水を手配できる仕組みが求められてきました。そのため大規模修繕の必要が 出てきたのです。

今回見た大規模なサイホンやトンネルなどは、現行施設を活用しながら樹脂被覆などで漏水防止と長寿命化を図ります。また、最近の監視機器を導入し、省人化と合わせて機動的な水管理を出来るようにします。

TPP問題が一時騒がれて(いつの間にか下火になりましたが・・・それにしても日本人というか、日本のメディアというか・・・本当に飽きっぽいです ね。)、農業をつぶすだの守るだのという議論が盛り上がった時期がありましたが・・・TPPに参加するにせよ、しないにせよ、日本の農業再生は必要です。

そのための一つの答えが、最新の技術との融合による、高度管理です。これは、日本にしかできない技術と言えるでしょう。確かに、長年培ったカンによる農業 が基本ですが、残念ながらそれでは、21世紀には産業として成立しません。自民党政権時代も、また民主党になってからも、装備もなく規模も小さい農家を基 準として政策を組み立てたため、日本の農業のレベルが上がりませんでした。

一方で、頑張る農家、経営体として成功している農家は、そんな政府の政策など待っていられないとばかりにがんばって、十分な装備と収益性を確保してきまし た。いずれにしても、日本の農業が目指す姿は、世界最高の品質と、世界最高の安全性です。それを、後継者に世代交代しながら高めてゆける仕組みの構築で す。

いま、国会は消費税の事前協議をするとかしないとかでグダグダやってますが、そんな悠長なことをやっている時間があるのでしょうか。そんなことをしている うちに、どんどん財政は悪化するし、諸外国はどんどん政策を打ってきます。日本の政治が見失っているのは、また決定的に欠けているのは、スピード感です。

今回視察した水の確保は、農業の高度装備の第一歩です。こんごさらに、情報技術や制御技術を駆使して、最高の農業を創り上げなければなりません。その点では、オートバイや自動車の世界で、世界最高のものづくりを実践してきた浜松地域の強みが生かせると確信しています。

既得権にとらわれず、未来志向で、最高の農業を創り上げるにはどうすればいいか、日本の農業を再生し、後継者問題を解決するにはどうすればいいかを、今後関係機関と協議して合意に向けて取り組みたいと思います。