滋賀県知事選挙
滋賀県知事選挙が始まりました。
今日は、最初の土日を終えたところです。ご存じのとおり、私たち自民党は、公明党、維新の会(県)、みんなの党(県)の皆様とともに、「こやり隆史」さんを支援しています。また、民主党の衆議院議員であった三日月さんが、議員を辞職して知事選挙に出馬されました。こちらは、現職の県知事である嘉田さんや、労働組合の連合が支援しています。あえて、民主党の推薦は取らない方針のようです。共産党が応援する坪田さんも出馬されていますが、数字の上では「こやり」さんと三日月さんの一騎打ちとなっています。
報道の上では、「嘉田知事が引退した後の、県政の方向性が争点。嘉田路線を踏襲する三日月氏と、自民・公明を中心に経済や教育に力を入れる小鑓氏の戦い。」ということになっているようですが、もともとは嘉田さんが三選出馬をすることを前提に、私たちは対抗馬を擁立する方針を立てており、その中で小鑓さんを最もふさわしい人として選任しました。
振り返ると8年前、自民党と民主党が相乗りしていた現職の国松知事に対し、突如出馬してそのまま勝利したのが嘉田知事でした。当時の自民党や民主党はまったく油断していたようで、そこに奇襲をかけ、「新幹線の新駅は要らない、ダムはいらない、もったいない」と主張して、見事に勝利をされたのでした。当時はマスコミもまんまと奇襲され、多くの報道が「争点は新幹線新駅の建設と、ダムの建設の是非」とする様相で、まさに嘉田さんの作った土俵にみんなが乗って、みんなやられてしまったわけです。
お金もないし、組織もない、まったく選挙の素人が手作りで作った陣営で、争点を作り、世論を動かし、勝利に導いた手腕は、それはあざやかなものです。少数で大軍を破った織田信長のようにも見えますし、群衆を動かした奇兵隊の高杉晋作や、八路軍の毛沢東のような、すごい軍才を示されたのだと思います。私自身も、国会議員に立候補するまでは無所属を貫いており、選挙のたびに自民党や民主党の大軍を相手に戦って独自の立場をつくってきましたから、それを県全体のレベルで行うことの困難さは、本当によくわかります。私には、県議会の1選挙区レベル、ひとつの市のレベルでやるのがいっぱいいっぱいでしたので。その何倍もの規模の県全体のレベルで、自民党や民主党を相手に回して、独自の立場をつくったというのは、本当にすごいことです。
その後、4年たって改選になったときには、嘉田さんは民主党の支援を受けました。私たち自民党は、元衆議院議員の上野さんを候補者として擁立しますが、準備期間が短かったこともあり、当時の自民党に対する逆風もあり、残念ながら負けてしまいました。この時も抜群の強さを見せつけられましたが、私の目から見ると、一回目のようなあざやかさは無くなっていたのではないかと思います。自民党も民主党もまとめて相手に回して大立ち回りを演じた、一回目の力はどうなっていたのか・・・私は当時は静岡県にいたので、詳しい分析はできませんが。
それから、私たちの衆議院選挙の時、これも突如として、民主党を離れた小沢一郎さんと組んで新党を結成し、党首に就任されました。日本未来の党です。この行動力は、まさにデビュー戦を思わせる、電光石火のものでした。私はすでに自民党に入党し、滋賀1区の候補者として戦っていた時でしたので、嘉田さんの「未来の党」と、橋本さんの「維新の会」の動きに戦々恐々としていたのです。というのも、日本全国の1区に共通する特徴なのですが、有権者の反応速度が速く、経済政策や行政改革など民間的な視点の政策の支持が高いので、未来や維新への支持の広がりが結果に大きく影響を与えるからです。この点は、事実上、民主党政権3年間の信任が問われた他の選挙区とはちがう点です。
しかし残念ながら、この試みは失敗に終わりました。県内では一定の支持を得たものの、党としては9議席と、あまりふるわない結果となりました。小選挙区で当選したのは、小沢一郎さんと、亀井静香さんのみです。もちろん私が出た滋賀1区においても、未来が候補者を立てず、維新が準備期間の短さから伸び悩んだため、かろうじて、私も自民党の議席を確保することができたのです。
その後、嘉田さんは知事に専念すると発表され、今年行われた「自身のマニフェストの自己評価」でも、「88点」「まだまだの項目もあるので、努力を続ける」とおっしゃっていたことから、当初は3選を目指しておられたのだと想像します。当時は自民党も方針を決め切れておらず、「嘉田さんと政策協定を結んで推薦すべき」という意見もあれば、「民主党と組んで、嘉田さんの対抗馬を出すべき」という意見もありました。私は、過去の嘉田さんの選挙を肌で体験しておらず、本当の強さを知らないこともあり、「昨年来、滋賀県の子供の学力が低いことが明らかになった。河川整備の遅れによって水害が拡大した。経済の回復において、滋賀県は近畿で一番遅れている。教育、防災、経済と重要な部分に課題があって、自民党は解決の方策を持っている以上、独自候補を擁立すべきです。」と主張していました。
それから、党内でいろんな議論をし、結果として、「自民党で候補を立て、まず公明党に声をかける。そして国政における野党にも協力を求める。」という方針が決定しました。この方針に従って、候補者探しを始め、そのなかで「こやり隆史」さんという素晴らしい人物に出会えたわけです。こやりさんの「人柄」と「政策力」を高く評価して、自民党が擁立し、まず公明党から推薦をいただきました。その後、人物を良く査定していただいて、維新の会、みんなの党からも推薦をいただくにいたりました。
一方で、嘉田さん側や民主党側の動きは、私は詳細に知りません。報道によると、三日月さんが出馬の意欲を示し、人を介して嘉田さんと三日月さんが協議し、嘉田さんが引退してその後継者として三日月さんが立候補することになったようです。当初は野党に共闘を呼びかけられましたが、維新とみんなが「こやり」さんを推薦したことで、民主党からも推薦をもらわないようになったようです。ただし、労働組合の連合からは推薦を取り付けられたようです。
こうした流れで、今回の県知事選挙は始まりました。私たちは、嘉田さんにマイナスの評価をしているわけではありません。8年間の間に、環境や女性の活用などでは一定の成果を出されたものだと思います。また、嘉田さん以前の県政に対して、新しい風を吹き込まれたのも事実でしょう。自民党から見ても、嘉田さんのおかげで自民党の欠点も弱さも見えましたし、反省の材料になりました。マスコミ関係者からは、「悪そうに見える自民党議員が嘉田さんを罵れば罵るほど、嘉田さんの支持率が上がる」と言われ、つらい思いをしましたし、(「誰の事かな?」とも思いましたし・・・)自民党を改革する決意にもなりました。私たち自民党はいま、国の自民党も地方の自民党も、これまでの良くない点を反省し、総裁の決意のもと「皆さまとつくる新しい自民党」として再スタートしていますが、その材料を頂けたのは事実だと思います。
いよいよあと2週間の選挙戦となりました。私たちが応援している「こやり隆史」さんは、「教育」「経済」「道路や川の整備」を重点的な政策分野として、連日県内各地で活動をしています。一部では、「派手さがなく地味だ」「演説にパフォーマンスがない」などという意見もいただいています。
しかしそのたびに、私は申し上げています。「実は、県知事候補を選ぶときに、いろんな議論をしました。選挙に勝てる人がいいとか、若い女性がいいとか、話のうまいアナウンサーがいいとか、派手さがある人がいいとか。でも、議論したら、全部却下されたんです。それは、本当に県民はそういう知事を求めているのか?という疑問に答えられなかったからです。県民がどういう知事を求めてるのか、という問いに、まっすぐに応えられる候補者にしようということになりました。県民は派手な知事を求めているのか。パフォーマンスのうまい、泣ける話や面白い話ができる知事を求めてるのか。感情交じりの話でつかみのうまい知事を求めているのか。違うでしょう。そんなものなくても、まっすぐで、人の痛みのわかる、まじめに、わき目も振らず、知事の職をまっとうしてくれる人がいいでしょう。口だけじゃなくて、実際に政策を前に進めてくれる実務家のほうがいいでしょう。こやりさんは、まさにそういう人です。県民一人一人に「どういう知事を求めているのですか?」と聞いてみてください。その答えにぴったりくるのは、今回の候補者の中では、間違いなく、「こやり」さんのはずです。」と。
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県知事選挙の投票日は、7月13日です。結果として嘉田さんは引退され、嘉田さんのあとの知事はだれがふさわしいのか、皆さまに選んでいただきます。さきほどの例で話せば、ノブナガの後をまたノブナガである必要はありません。毛沢東の後にまた毛沢東では、滋賀県の新しい可能性への発展はありません。そういう意味で、ノブナガのあとに、秀吉、家康が続いたように、嘉田さんの後は実務家の知事、まじめにコツコツ仕事をする知事、ブレずに職をまっとうする知事がその仕事を担い、滋賀県を整えるべきです。
7月13日の投票日まで、毎日が投票日です。期日前投票はすでに県内各地で行われています。詳しくは、各市のホームページで確認してください。どうか、皆さまの一票は、「こやり隆史」さんに賜りたいと思います。「こやり隆史」さんとともに、皆さまの力で、新しい滋賀県の扉を開きましょう。豊かな経済があって、働く場所がたくさんある。子どもの学習環境が良く、子どものいろんな能力を引き出せる。安全な道路、渋滞の少ない道路があり、災害にも強い地域。そんな滋賀県を、皆さまの手でつくってゆきましょう。そのために、皆さまの力を貸してください。どうかよろしくお願いいたします。