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航空政策

先日、元JAL社長の西松さんのお話を聞く機会がありました。

西松さんは日本航空が破たんした時の、いわば最後の社長さんで、その後会社更生法に申請して破綻となりました。

これら一連の経緯の中で、JALが静岡空港から撤退することとなり、さらには搭乗率保障の問題などが残ってしまう結果となりました。

まず搭乗率保障について、私はこの契約を結ぶという議案に反対しました。しかし、自民党も民主党も相乗りで賛成して、県は搭乗率保障の契約を結ぶことになったのです。

しかしその後、私も担ぎ出した一人なんですが、川勝知事が誕生することとなり、新知事は搭乗率保障はおかしいので、県民の税金をつかってJALに1億5000万円ものお金を払うつもりはない、と表明しました。

私も、同感です。しかし一方で、私が反対したとはいえ、自民・民主の相乗りで搭乗率保障の契約を結んでしまっているので、私は今は「払うべきだ」と申し上げています。

このことを、ある議員から「大岡は最初反対と言っていながら、今は払うべきだというのは、わかりにくい。変節だし、反川勝だ。それなら反川勝と表明すべきだ。」と批判されたことがあります。
私はすぐさま「いや、先生のほうがおかしい。石川知事のときには搭乗率保障に賛成しておきながら、川勝新知事が見直しと言いだすと、とたんにまた尻馬に乗る。これこそ変節以下の、ただのぶら下がりじゃないですか。信念も理念もなく、とにかく時の政権にぶら下がるというなら、議員なんていらないんじゃないですか?」と申し上げたところ、さすがに反論できなくなって去って行かれました。

私は、契約をしてしまったのに、県が払わないと言い張ることは、県の信頼を損なうと考えています。静岡県は契約を反古にする県だ、ということになれば、今後重要な契約を結んでくれなくなるのではないか、と思いますので、私は払うべきものは払って、今後の戒めにするべきだと考えています。

一方で、では誰がJALを撤退させたのか。これはほかでもない、当時の国土交通省(大臣は前原氏)です。
彼はJAL再生タスクフォースとか言って、再生チームを送り込みましたが、結果として査定をしたのみで何らの成果を出せずに終わりました。しかも、報道によると、10億円もの費用を潰れかけたJALに請求したようです。この過程の中で、不採算路線からの撤退という方針が出され、静岡空港から撤退することとなったのです。

私はこの一連の流れを見てみると、国の民主党と地方の民主党に意思疎通がなくバラバラに動いた結果、どうにもならない問題だけが残ったというのが、一連の騒ぎの末に出てきたものだと思います。

県の民主党は最初、搭乗率保障を払ってでもJALを飛ばすべきだと判断して搭乗率保障に賛成した。しかし、国の民主党は静岡を含む不採算路線の撤退を指示。撤退することが決まる路線には客がつかず、搭乗率保障の金額は増大。なんとか搭乗率を向上させるため、県税を投入。それでも搭乗率は伸び切らないので、県の民主党も新知事の方針に乗り、搭乗率保障を払うべきではないと言い出す。

いったい何をやっているのでしょうか?
しかし残念ながら、これが議会の実態です。私も遠慮や躊躇などせずに意見を言い、議論をしておりますが、蟷螂の斧だと嘆かわしくなる時があります。

しかし一方で、ここであきらめたら、本当に正しい政治や将来を見越した政治などはできなくなってしまうので、どう批判されようと、採決で過半数が取れない状況であろうと、正論を吐き続けたいと思っています。それがおそらく、私に与えられた仕事だろうと思っています。

西松さんの話をしたかったのですが、搭乗率保障の話になって、この真相というものが、国の政策にも翻弄された、本当にばかばかしい話ですので、ついついこの件で今回は終わってしまいました。

なお、その後、前原大臣が鳴り物入りで進めたJAL再生は、タスクフォースはたったの1カ月で解散して、何らの引き継ぎもなされないまま、結局は企業再生支援機構を頼ることとなりました。
最近の調査によると、どうやら前原氏が首相にしたい政治家の第1位のようですが、私はやんばダムもかっこいいことを言ってかじっただけでほったらかし、JAL再生もかじっただけで結果を出せずに他の組織に丸投げ、高速道路無料化やガソリン値下げも野党時代はあれだけ言っておきながらコソッと看板をひっこめるなど、政治家としての行動を見ていると、とても総理を任せられないのではないかと思っています。

なぜ人気があるのか、教えていただきたいです。