大岡敏孝 Official Site

新しい年を迎えて

平成29年の元旦を迎えました。

新しい年を迎えて、皆様それぞれ新しい抱負や目標を定められたことと思います。私も今年一年、皆様の期待に応えてしっかりと働くこと、課題となっている政策について、一気にはできませんが、一つずつ着実に前に進めてゆくことを誓いました。

昨年は、おかげさまで、日本の国政は非常に安定した中で終えることができました。イギリスのEU離脱、アメリカの大統領選挙、韓国政治の大混乱など、外国では大きな政治的な不安定がありました。ほかにも、ミャンマーで新政権ができたり、フィリピンでは個性的な大統領が生まれたり、タイのプミポン国王がなくなったり、アフリカで動乱があったりと、政治が揺れていましたが、日本においては安定した中でこれらへの対応を打つことができましたし、国内政策も着実に進めることができました。これらもすべて、皆様それぞれのご支援やご理解があったからです。本当にありがとうございました。

さて今年はどうでしょうか。昨年ほど安定した状態を保てるかどうかは、非常に難しい課題だと思っています。というのも、まず今月、トランプ大統領が就任します。いまだにアメリカはどのような政策を打ってくるかわからない状況ですので、早く情報を収集し、適切な対応を取らなければなりません。アメリカの動きは為替だけではなく、経済のあらゆる面に影響を与えます。アメリカは日本の同盟国、つまりは防衛の上でも経済活動の上でも協調して取り組むべき国であり、人口は約3倍、GDPはそれ以上の開きがあるため、アメリカが寝返りをうつと、日本はその影響を避けられないからです。そういう点で、安倍政権が機転を利かせてトランプ予定者に真っ先に面談を仕掛けたのは、正しい判断だと思います。大河ドラマでも同じようなことが起きていますが、変化の時、危機の時の瞬発力が運命を分けるということは、歴史が証明していることです。私たち政治家は特に、決して平和ボケにならないように、普段から感覚を磨いておかなければなりません。

また、ヨーロッパを見ても、今年はドイツとフランスという2大国で選挙があります。それぞれ現政権を批判する勢力が台頭しており、どういう結果になるか、まったくわかりません。それぞれの結果について、日本には大きな影響を与えることになるでしょう。 これらのことからもわかりますが、「グローバル化」によって世界は近くなり、国民同士の交流、普遍的な価値、貧困や人権への協調しての対応など、良い面がたくさん出てきました。一方で、まるでトランポリンかベッドの上に、アメリカのような巨体の人から、オランダやギリシャなど小柄の人まで一緒に乗っているような状態が「今の世界」であり、誰かが大きく飛び跳ねたり、不安定な動きをすると、それはすべてに影響する時代となりました。特に巨体の国が自己中心的な動きをすると、収拾がつかなくなる可能性もあります。政治でも経済でも、世界がつながっており、それらの情報をしっかりと分析し、手をつなぐべきはつなぎ、リーダーシップを発揮して対応するということが最も重要です。私もその一助になれるように、今年もしっかりと取り組みたいと思います。

国内については、今年はもう少し国民の皆様が実感できるような経済成長を目指したいと思います。正直に申し上げて、昨年の経済は、私たちが目標としたものには届かなかったと思っています。過去に比べればましなものの、もう少し実感できるものにしないと、経済が上向きで安定したとは評価してもらえないだろうと思っています。そういう意味で、今年の予算の執行については、これまで以上にチャレンジをしてゆかなければならないと思っています。

その予算案ですが、昨年の暮れに自民党・公明党として承認し、閣議決定をしました。この予算案も、「変わりばえしない」などの厳しい評価もありますが、私から見ると、いろんなところに苦労の跡が見えます。社会保障費は増えるけど消費税は上げられない、また景気も読み切れない、そんな中で税収をどうするのか、社会保障をどうするのか、昨年以上に難しい査定だったと思います。余力が少ない中で、いろんな課題をちりばめてあります。これを執行段階においてしっかりと実にしてゆくことができるかが、今年の自民党・公明党政権の腕が問われる部分だと思います。

暮らしにかかわる部分だけ少し紹介すると...保育や介護の世界では仕事がハードな割に給料が安いことが課題となっていました。今回はひとりあたりの月給でおおむね10,000円程度アップするとともに、経験のある介護士には40,000円程度のアップを実現するものとなっています。日本では資産の6割を高齢者が保有しており、介護や医療はまさに、高齢者から働く若者にお金が移動する大事な仕事です。また、少子高齢化が進んでおり、男女ともに活躍してもらわないと日本が沈没してしまいますが、保育の仕事は非常に重要な要素です。これらの面にしっかりと光を当てる予算となっています。

また、教育についても取り組みを強化します。給付型奨学金についてマスコミなどでも話題になっていますが、まず奨学金については、所得などで評価した対象者全員が受け取れるように改革します。また、金利についても0.01%まで引き下げることとしました。事実上ゼロ金利で学びたい人全員に資金を提供することとします。また、給付型については、限定的ではありますがスタートします。これについて、「お金がないから」「かわいそうだから」給付型奨学金という意見も見られますが、そうではありません。いろいろな理由でご両親あるいは片親が低所得の家の子供の中に、意欲もあるし能力も高い「星」のようなこともがいるのも事実です。今回の制度でこの「星」を見つけ出し、多くの子供たちの目標となるように頑張ってもらおうということです。決してかわいそうだから出すのではありません。ここを間違うと、子供たちの間で差別や批判になってしまいます。いずれ返すお金であれば問題は出にくいですが、もらえる人ともらえない人がいる場合、その境目の落差は大きなものになりますので。福祉ではなく、あくまで教育目的として、子供たちの中で頑張っている「星」を見つけ、みんなの目標となり、学力全体を押し上げてゆくというのが狙いです。貧しい人にただお金を渡しても、豊かにはなりません。豊かになるためには一生懸命勉強する、手に職をつける、目標をもって働く、これは世界共通の鉄則です。日本の教育はこれまで粘り強くそれを子供たちに教えてきたはずですが、最近はどうなっているのか、心配になるときもあります。今回の奨学金も、あくまで教育のため、この原則を忘れてはならないと思っています。

ほかにも、人工知能、IoT、科学技術、観光、働き方改革やインターバル規制などについて、新しい取り組みをスタートします。予算は金額だけの問題ではなく、使い方が重要です。うまく使って効果を最大化してゆきたいと思います。

今年一年も、国民のため、地域のためにしっかりと働きますので、引き続きよろしくお願い申し上げます。

(公職選挙法で、政治家は「年賀状」などの「時候の挨拶」は、「自筆以外は禁止」となっています。ホームページも自筆以外と考えられるので、この点に注意した書きぶりとしています。ご了承いただければと思います。)