被災者を静岡県へ
きのう、県では被災者支援対策本部を立ち上げました。
これは、東北地方の地震で家をなくしてしまった方々を、県として積極的に受け入れようと言うもので、知事の思いが現れた良い政策だと思います。
私も数日前から危機管理部に、「県で被災者を受け入れてはどうか。おそらく仮設住宅を作るまでだいぶ時間がかかるだろう。リーマンショックまでブラジル人が住んでいた社宅もたくさんあいている。県西部だけでも数千人規模の受け入れが可能なはずだ。早急に体制を組んでもらいたい。」と政策要望していました。
そうしたことも踏まえてやってくれたのだと思いますが、私としては、今の県のやり方では2点の問題があると思います。
①この対策本部が、あいかわらず危機管理部が幹事長となっていること。
②県営住宅での受け入れにとどまっており、民間を巻き込んだ動きになっていないこと。
③親と生き別れたこどもの支援がないこと。
です。
1点目については、すでに危機管理部にはいろんな負担が集積しており、この体制では新たな負担がのしかかったにすぎません。被災者の支援を危機管理部からオフセットして、他の部門が責任を持って実施することに意味があると思っていたのに・・・暮らし環境部は一体何をやっているのでしょうか。
こうした一連の生活支援は、危機管理部から切り離して、暮らし環境部が責任を持って進めるべきです。そうして、オール県庁で役割分担をしないと、いざというときのトレーニングにはなりません。こういうときは縦割り意識をなくし、機動的・機能的に動ける体制を組む必要があります。連休明けにはしっかりと意見を伝え、見直しを進めたいと思います。
2点目は、民間を含めたコーディネートの訓練をしないと、いざというときには役に立たないと言うことです。県で住宅支援と言うと、県営住宅しか見えないので、50世帯とかそういうつまらない数字になってしまいます。さいわい、県西部地域は、リーマンショックまでブラジル人が住んでいた社宅などがガラッとあいています。こうした民間の力を借りて、より多くの被災者を受け入れる体制整備が必要です。
3点目は、子どもの支援です。おそらく親と生き別れた子どもが少なからずいることでしょう。そうした子どもたちを、静岡県の家庭でホームステイで受け入れてはどうでしょうか?暖かい家庭の生活が、子どもの成長には必要です。できれば施設ではなく家庭で受け入れてあげたい。そういう支援を県として考えるべきです。
今回のような未曾有の地震にどう対応するかは、まさに試行錯誤です。
しかし、前例のないもの、想定の範囲外の事案こそ、私たち政治の腕の見せ所です。
逆に言うと、想定の範囲内のものは、誰が議員であってもできるものです。議員の能力は問われず、行政が粛々とやれば済む話です。
選挙も目の前になって来ましたが、復興支援を確実に進めることこそ、現職である我々議員の大事な任務です。本業を怠る事のないよう、しっかりと仕事をこなしてゆきたいと思います。