地熱発電所
先日、県議会の委員会視察で鹿児島県の地熱発電所に行ってきました。
ご存じの通り、地熱発電は火山国日本では非常に有望視されている発電方法で、特に九州や東北などでは開発可能な発電所です。実際、東北や九州には天然の温泉がたくさんありますしね。こういう風情のあるところが発電に適しているようです。
写真は、霧島で行われている地熱発電の施設です。NEDOから、地熱発電ということで補助金が出ているのですが、実際には温泉発電です。
厳密に言うと、ちがうらしいですね。温泉発電は、既存の温泉の水路から余分な熱を取り出して(つまり、100度で出てきた温泉を実際には45度くらいで使うので、55度分が余分な熱)、これを発電に回すという考え方です。
一方で、本物の地熱発電は、温泉の層よりもさらに深く穴を掘り、さらに高温高圧の蒸気を取り出すもののようです。実際に、霧島では九州電力が本格的な地熱発電を展開しており、こちらは30000キロワット。今回見に行った、温泉発電的地熱発電は100キロワットです。規模が全く違うことが分かりますね。
しかし、じゃあどちらが静岡で実用可能かというと・・・これは温泉発電です。静岡には、伊豆を中心に豊富な温泉がたくさんあり、この余熱を利用して発電が出来れば、計画停電も怖くないし、またこれが観光になると言う可能性も秘めています。
いまもどんどん技術が進んでいて、私が個人的にお世話になったOBがいる富士電機さん(浜松にもゆかりがあります)が積極的に開発しています。水よりも低沸点のペンタンとかブタン(家にプロパンガスってありますね。これと似た組成の有機物です。)を使って、低温でも蒸気を作りだしてタービンを回す、バイナリー発電がもうすぐ実用化されるようです。私はかつてアンモニアを使うと聞いた事があります。ペンタンやブタンは可燃性があり、アンモニアは爆発の危険があると言うことで、一長一短のようです。
いずれにしても、こういう水以外の物質に熱を伝え、その物質の特性を利用してタービンを回す発電をバイナリー発電と言います。水の経路と発電媒体の経路が二つあるので、バイナリーなんですね。
(ちなみに、原発で同じような事をやると、PWRという発電方式になります。浜岡をはじめ日本で多く利用されているのは、BWRという1系統のものです)
私たち県としても、この将来性に注目して、県の企業局で温泉発電の実験を今年から始めようと思っています。何とか実用化にこぎつけて、伊豆地域の発展やエネルギーの確保、新しい観光要素の開発と地域企業の振興に役立てたいと思っています。
所で話は変わりますが、さきほど鉢呂経済産業大臣の辞任が報道されていました。
いったい何をやっているのでしょうか?
今の日本の状況をみると、最も大事な分野である経済産業の、日本の責任者です。
そもそも就任された時から、私は「鉢呂さんで大丈夫なの?本気で日本の経済を再生するがあるの?」と思ったのですが、ひどいことにというのか、良かったことにというのか、経済政策とは全く関係のない失言で失脚されました。
大臣になって嬉しくて浮かれていたのでしょうか?やっていることは、まるで小学生です。
そのあとの言い訳も見苦しい。
本当に、今の国政は人材が枯渇しているのでしょうね。日本で最も貧困が進んでいるのは、政治の世界です。その政治の世界で「若者の貧困化」だの「格差社会」だの・・・そんな事を議論できる立場なのか?と言いたくなりますね。
いずれにしても、辞任されたのですから、次は本気で経済再生、来たるべき時代の勝ちぬけるような日本の経済構造を作り直せる、変化させられる人物を大臣に任命していただきたいと思います。
ダーウィンの進化論じゃないですが、勝ち残るのは強い経済・強い企業ではなく、変化できる経済・変化できる企業だと思うからです。
私も今は県議会におりますが、研鑽を進めて、皆さんの期待にこたえられる政治人材に成長できるよう、全力で頑張りたいと思います。