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9月議会開会(搭乗率保証)

昨日9月県議会が開会しました。

9月議会は一般的に、国の予算が成立して、それをうけて各省庁がどの県にどれだけの事業を出すか、決めてきます。それを県として受け止めて、静岡県の独自性も入れてどう使うかを決めるために開くものです。もちろんそれ以外に、今年度の事業を進めてみての中間補正(増額・減額含めて)もやりますので、結果として補正予算の中では一番大きい規模の予算を組むことになります。

今回は特に震災対策などもありましたが、この9月議会の最中に国では第3次補正の議論をしていますので、どうも段違い平行棒のような・・・これまでの2次補正までの方向性と、3次補正の議論の両方をにらみながら議論するという・・・やりにくさもありますね。

この議会の報道を見ると、各社は「搭乗率保証の和解」と「天竜川下りの事故を受けた改善」を多く報道しているように見受けられます。もちろん他にも争点があるので、そういうことはできるだけ浮き彫りにしたいと思っています。

搭乗率保証については、私は今回の和解案を見て、「なるほど!」と思ったのと同時に、「こういう議論や提案を、本来はもっと前に県議会がすべきであった・・・。」と反省しました。

今回の和解案の内容は、要は「JALが撤退を表明する前の搭乗率保証分は全額払え。一方でJALが撤退を表明した以降の搭乗率保証分は払う必要なし。」というものです。数字の大きい小さいはありますが、内容はそういう事でした。

この問題に対し、議会はどう対応したのかというと・・・。最初は石川知事が搭乗率保証を議案で出した時には、自民・民主を中心に県議会としては賛成を決議しました。私は、「JALの空席に対して県民の税金からカネを払うのはおかしい」と主張して反対したのですが、蟷螂の斧でした。
しかし県議会として議決をしたので、私の力不足も含めて私を含む全議員が連帯責任を負っていると思っています。

その後、川勝知事に代わり、川勝知事は「県民の血税である以上、このようなものを払うわけにはいかない。金額の多寡の問題ではなく、カネの性質の問題である」と公言し、支払いを拒否したのです。私はこれについては、「議会が議決しているので難しいだろうが、良く戦っておられる」と思っていました。

知事が代わり、知事が姿勢を変えると、県議会の自民や民主も姿勢を変えました。知事は払う気がなかったので、今年の予算には搭乗率保証の支払いの金額を載せなかったのですが、自民も民主も修正動議を出すことなく、知事の姿勢を了として予算に賛成したのです。
もちろん、こうした会派の変節を批判する声もありますが、私は議員が姿勢を変えるのは悪い事ではないと思っています。時期や状況が変わる、あるいは考え直すということだってあるわけですから、自民や民主の姿勢を批判する気はありません。ただし、「考えを変えた理由は説明するべきだし、議事運営を工夫して各会派の説明責任を果たせないか」、ということを議会運営委員会で提案しました。(結果としては特に工夫はなく、各会派の考え方で議会審議を行うと言うことになりました。)

そうした事を受けて、今回は知事が和解をしたいと提案してきたのです。知事はこれまでずっと拒否してきたわけですし、1年間も戦ってきたのです。和解受け入れの決断は、軽いものではないと思います。実際に知事と電話で話した時、相当思い悩んでおられました。「県民の税金ですからね・・・それを預かる立場として、1億5千万の支払いを易々と決めるわけにはいかない・・・。」とおっしゃっていました。

知事は悩みに悩んだ上に和解したいとして議会に提案してきたのですが、その内容は先ほど申し上げた通り、「JALが撤退を表明した日を境にして、それまでの分は全額払え。撤退表明後は払う必要なし。」というものでした。私はこれこそ、今年の3月議会で議論すべき内容だったと思って、反省しています。

今年の3月議会、つまり予算を決める議会では、こうした建設的な議論や、今回の係争の内容を分析して、理詰めでもって必要な予算、納得できる予算の計上を提案するような動きはありませんでした。今回の和解案を見て、「ああ、議会としての仕事が出来ていなかった。私も提案の動きを取ればよかった。」と思いました。

議会はあくまで知事と独立した、県民に代わって議論し、政策提案し、修正し、賛否を表明する機関です。決して知事や県当局にぶら下がる機関でもなければ、ただの野次馬のように、外野から好き勝手な事を言う機関でもありません。

そういう意味で、私も多くの事を気付かされた議案ですし、今議会では私の考え方の総括も含めてしっかりと説明責任を果たせるような審議を進めたいと思います。

県民にたいしても、知事や県庁職員に対しても説得力のある議論を展開するよう努力し勉強しますので、また皆様からのご意見を聞かせてください。