大岡敏孝 Official Site

衆議院解散?

今日の党首討論で、野田総理が16日の衆議院解散を明言したようです。

私も今日は忙しく回っていて、事務所から連絡があって初めて知りました。どうやら、0増5減を先行して成立させ、その上で衆議院解散に踏み切るようですね。私としては、そもそも国政選挙を戦うために静岡県議を辞職して滋賀県に帰ってきたわけですし、当初は延長した通常国会の再終盤で解散するのではないかと思っていたので、そんなに驚きはありません。逆に今までのあいだ、3ヶ月間も何も決められずに、何の政策も進められずに空転してきた国会のしくみ、さらにはつい先日のむなしい予算委員会などのあり方について、「これではダメだ!こんなことでは、経済のスピードについてゆけないし、諸外国のスピードにもついてゆけない!」と感じました。多くの国民が、国会改革の必要性を、実体験を持って見せられたのではないでしょうか?

おそらく来年の通常国会を迎えられないだろう・・・ということは、多くの報道や解説者が予想していましたし、私もそう感じていました。それはひとえに、先日の内閣改造です。当初から「ダブル田中が爆発する。そのあげく、野田総理は決断を余儀なくされる。」と予想されていましたが、その通りになりました。

一人目の田中さん、暴力団との癒着が指摘されて辞任した田中法務大臣は、ひたすら「思い出づくり」「元大臣の量産」に走る民主党の断末魔のようでした。民主党政権になって、確か67人目の「元大臣」として、何の仕事もせずに、国会をひとつも経験せずに辞職されました。2人目の田中さん、田中文部科学大臣は、思いつきで迷走し、人のせいにして言い訳する、というよくわからない行動で、民主党の議員からも「だからああいう元自民党の議員を使うなと言ったのに!」という、どうも自民党のせいにされているような発言まで飛び出す始末。しかしこの件の本当の事は、田中真紀子さんは風向きを感じることには敏感な方で、離党予備軍と言われていました。田中さんを離党させると、それはそれは民主党をひどく罵ってくるので・・・それを避けるために内閣に飲みこんだら、おなかの中で爆発した、ということです。結果から見ると、どっちが良かったのかわかりませんね。

しかし一方で、この3年間の民主党ほどひどくはないとは言え、かつての自民党も、言わば同じような事をしてきました。もちろん今は自民党は野党ですから政権の問題を指摘することが仕事ではあり、そこはしっかり仕事をしなければなりませんが、あまりひどく批判する権利はありません。むしろ私たち若手は、「他人のふり見て、わがふり直せ」で、民主党政権の迷走や失望の原因はどこにあるのかを、しっかりと分析して、二度と同じ過ちを繰り返さないようにしなければなりません。

いくつか大きな問題があるのですが、そのうちの一つが「選挙至上主義」です。「選挙は勝たなければ意味がない。勝てればあとから何とでもなる。」と言う言葉は、当時の民主党の幹部がしきりと口にしていました。確かに一面ではそうなのかもしれませんが、それを言ったらおしまいです。「マニフェスト」という言葉を道具として使いながら、耳目を引くような思いつき、キレイ事、利益供与などのデタラメ政策を並べまくって、政治や選挙を軽薄で胡散臭いものにしてしまいました。子ども手当てを配ります、高速道路はタダにします、ガソリン税も安くします、消費税は上げません・・・これらは何ひとつ実現できずに終わってしまいました。子ども手当ては1年ほど約束の半額である1万3千円を配りましたが、今は廃止されました。一方でこの間に経済は低迷し、失業者は増え続け、サラリーマンの給料は下がり続けましたので、「子ども手当てをもらって喜んでいたら、旦那様の会社がつぶれて給料が全部なくなった」という、元も子もないような状況になってしまいました。

高校無償化もバラマキの一つです。これだけは実現した!と民主党は大宣伝しているようですが、私は機会があれば費用対効果について聞いてみたいと思っています。「高校無償化で1000人ほど高校中退が減った!」と言っていますが、これは高校中退者を減らすためにやったのでしょうか?そうだとすれば、5000億円使って1000人減った。中退者を一人減らすために5億円使ったことになります。これはまさに税金のムダ遣いなのではないですか?しかもこの財源は子どもたちの扶養控除をカットした分を当てているわけですから、「広く取って、狭くバラまく」というタイプのバラマキです。私はむしろ、子どもたちの学力向上、道徳教育の推進、奨学金の拡充、留学や専門分野への可能性を開くなど、子どもたちの未来を大きなものにしてゆける政策に資金を投入するべきだと思っています。

ちょっと踏み込み過ぎたので戻すと、その「選挙至上主義」を見直さなければ、また同じことの繰り返しになってしまいます。既に今でも、聞こえが良いこと、利益供与のようなもの、威勢の良いこと、国民のルサンチマンを煽ることなど、政策とも呼べないようなものまで氾濫しています。これは、私たち自民党ももちろん、しっかりと戒めて、そろそろ「大人の政治」を目指してゆかなければなりません。これは、いまの実直な野田代表と、実直な安倍総裁となら、合意できることだと思いますので、マスコミも含めて、「もう騒ぐだけの政治、流行りものに飛びつく政治、ばらまく政治はやめましょう。現実的で、戦略的で、長期的なビジョンをもった大人の政治を目指しましょう」というコンセンサスを取ってもらいたいと思っています。

その上で、民主党のようにマニフェストと言っても、私たち自民党のように政権公約と言ってもいいのですが、国民に本当のことを伝える、本当にやりたい事を伝える、一方でそのための国民の負担も伝える、国民に我慢してもらう事や給付の引き下げも伝える・・・そういうまじめなもの、煽りや過大宣伝ではなく、学術的にも正しい、読み物としてもしっかりとビジョンが分かる、そういう「さすが!」と言えるものを作ってゆきたいと思います。民主党も「これまでの事を反省し、国民の声を集めてマニフェストをつくる」などと言っていますが、そういうのは「アンケート」と言います。そうではなくて、大所高所から、また専門家としての目、現場に入ってどうしても必要だと感じたこと、議員として仕事をしてきた以上、普通に暮らしている人よりも多くを見、多く汗を流して蓄えてきた知見を、将来を見据えた政策として書きあげるものこそ、マニフェストであろうし政権公約であろうと思います。今回の自民党のものがどうなっているかは、新人ですからまだ知り得ませんが、少なくとも私はそういう政権公約を目指してゆきます。その姿勢こそ、私たちが目指す、謙虚で実直な政治だと思っています。

いよいよ選挙が始まります。まして今回は、急に二日後に解散が降ってきて、しかも解散から投票までがたった1カ月と言う電撃戦です。電撃戦では、各陣営の事務処理能力が試されます。選挙を経験した人なら分かるのですが、選挙の半分以上は事務作業です。ポスターやチラシ、ハガキなどを作り、貼りだしなどの段取りを決め、選挙カーや事務所を用意し、日程計画を立てて、マスコミ各社のアンケートに答え・・・本当に膨大な事務量をこなさなければなりません。そうなると、与野党問わず、現職が有利、組織をバックにした候補者が有利です。多くの公設秘書を抱え、多くの動員人数が可能で、多額の資金を持っています。私たち新人は、資金も事務員も少ない中、少数精鋭でやりこなしてゆかなければなりません。もちろん候補者である私自身も、事務処理の一部を担わなければ追いつきません。

私の相手は労働組合の大物、しかも鳩山政権、野田政権を大臣として支えた、かつての民主社会党、友愛ゼンセンのトップです。本当に厳しい戦い、気力も体力も使い果たすような試練になると思いますが、相手は大物ですから、思い切ってぶつかってゆこうと思っています。組織や資金、人員で勝てない以上、私自身が前線に立ち続け、野戦の指揮官として、とにかく表に出つづける選挙、有権者に政策を伝え、思いを伝え続ける選挙を目指したいと思います。

まじめに政策を語り、有権者のご意見を伺い、反論すべきは反論し、説明すべきは説明する。そういう、本来の選挙、政治の原点を見つめなおすような選挙をやれば、かならず有権者の信頼は回復できると信じています。また私自身への戒めとして、また、これまでだらしなくて政権を失ってしまった自民党としての反省として、「政治のスタート、民主主義の原点である選挙をまじめにしっかりとやれば、次の展望が見える。逆に軽薄で子どもじみた政策・選挙をやれば、たちまちダメになる。つまづくのも選挙から。良くなるのも選挙から。」ということを肝に銘じて、明日からの1ヶ月間、全力で走り抜けたいと思います。

皆さまからの支援を信じて、日本のため、日本人のために頑張り抜きますので、どうかご支援をよろしくお願い申し上げます。