衆議院総選挙において、選挙区で落選。争点となった「不記載問題」の反省点について。
衆議院総選挙が終わりました。結果としては、残念ながら小選挙区で落選となりました。重複立候補した比例区では、近畿ブロックの得票のおかげで、なんとか比例当選することができました。
振り返ると、反省すべき点がたくさんあります。
その中でも、今回の大きな争点となった、「政治とカネ」、いわゆる「不記載」の問題です。滋賀県には不記載の議員は一人もいませんが、今回の大きな争点となり、その対応が良くなかったかな、と反省しています。
そもそもこの問題は、昨年の夏ごろから噂されており、秋には派閥に捜査が入っていることが表面化していました。私も派閥に属していましたが、資金の処理はきっちりとやっていたことから、「こんなの一部の派閥特有の問題だろ」と考えていました。つまり、党としての問題ではなく、特定の派閥、各議員の事務所の問題だと思っていたのです。一般的に、事務所ごとに、選挙違反とか、収支報告書の違反とか、いろいろなケースが報道されますが、それは個別の問題であって、その党の議員だからといって、責任を問われることはないと思っていたのです。
しかしその後、捜査が進み、逮捕者が出ることになりました。そのあたりから雲行きが変わり、派閥ごとに億単位の不記載があることがわかりました。政治倫理審査会が開かれましたが、ボイコットする議員が続出。幹部数名が出席しましたが、「私が指導的な立場にあったので、私の責任だ。」と言う議員は一人もおらず、それが報道されると、ますます政治不信、自民党不信が広がりました。岸田総理が出席して意見を述べましたが、それよりも対象者を全員出席させるのが正解でした。これら、初期~最盛期の対応にさまざまなミスがありました。私も関連する会議でケジメをつけるよう発言していましたが、それを実現に向かわせる力が不足していました。
そして国会での対応。今回の事件を受けて政治資金規正法などを改正することになりましたが、その対応も後手後手になりました。維新の会に対し、半ば誤解を与えるような言いぶりで賛成に回ってもらったと報道されました。私たちのほうが誠実な対応ができていなかったのかもしれません。それで維新にも迷惑をかけたとすれば、謝るべきです。これら一連の対応も、不十分だと批判されました。
そして総裁選挙を受けての今回の総選挙。石破総裁はすぐには解散しないと言っていたので、私もそうだろうと思っていたら、緊急の解散。総裁選の時には、不記載議員に対して厳しく反省させる、公認するかどうか徹底議論する、としていましたが、その後、広く議員の支持をもらわなければならないということと、世論の批判との板挟みになっていたと聞いています。総理総裁になったらどうするのかな、と思っていましたが、最初は何もせずに、そのまま公認、比例重複も認めるという流れでした。
しかしその後、世論の批判もあり、急に方向転換し、かえって厳しい処分になりました。このあたりの迷走と言うか、場当たり的な対応は、私たちももっと意見を伝えるべきでした。会議はありませんでしたが、抗議する方法はいくらでもあるので、それをやらなかった私の責任でもあります。
そして選挙に突入。予想外の有権者からの反応に驚きました。大きな争点として、「不記載問題」、いわゆる「裏金問題」が叫ばれ、駅頭やスーパーの前に立つ私への視線は、不信、嫌悪に満ちたものでした。ビラは取ってもらえず、人の流れは私を避けるようになりました。
私も時折は、「滋賀県に不記載の議員は一人もおりません」と説明しましたが、言い訳するなとヤジられたり、不記載じゃなくて裏金だろ、と叫ばれたり。これはどういう選挙になるのかと思いました。そのうち有権者の皆様も、滋賀県は関係ないことを知り、政策を聞いてくださるようになるのでは、と思って、愚直に政策を訴え続けました。
選挙に入る前に用意するビラや、選挙公報についても、ここまで「裏金」一色で選挙になると思っていなかったので、記載はしましたが小さく、むしろいま我が国が置かれた状況とその対応への説明に多くを割きました。
これが、「説明から逃げた」と思われた節があります。あなたからは裏金の説明が何もない、政治資金への対応を何も語っていない、と複数の人から言われました。
結果として、前回から2万7千票失って、小選挙区で落選。かろうじて比例区で当選をすることができました。1年前に戻れるのなら、もっと適切な対応を主張し続け、そのことが有権者に伝わっていれば、結果が変わっていたのかもしれません。
敗因の一つは、一連の危機管理の失敗と、私の行動や主張が有権者に見えなかった、伝わらなかったことです。応援弁士の方から、大岡さんは今回の不記載問題についても、会議で勇敢に発言し続けていた、派閥の解消など具体的に行動してきた、とご紹介いただきましたが、記事にはなりませんし、ほとんどの有権者には伝わりません。やはり議員は公職者である以上、もっと日ごろの発言や行動を有権者に伝えなければならないと痛感しました。
今回の選挙区落選を良い機会として、もう一度地元の皆様との関係構築、信頼構築に努めてまいります。一方で、これまで蓄積してきた経験や人脈を生かして、国でも地元でも、しっかりとした仕事を進めてまいります。反省の上に立ち、1から再スタートします。
引き続き、皆様のご意見を聞かせてください。また、温かいご支援をよろしくお願いいたします。