総裁選挙でわかったこと
今日、自民党の総裁選挙がおこなわれました。
その関係で、朝の街頭が終わったら、うちの事務所をあげて、滋賀県の党員投票の開票作業のお手伝いです。まず滋賀の状況は、石破候補2687票、安倍候補1490票、石原候補1075票、町村候補123票、林候補88票でした。投票率は69.8%でした。その結果、滋賀には5票が割り当てられたのですが、石破3票、安倍1票、石原1票となりました。
ちなみに私は、石破候補に投票しました。理由はいくつかあるのですが、「過去の自民党をしっかりと反省し、そのうえで新しい自民党を創る」という決意が、非常に清々しく思えたこと。国防・安全保障の専門家で、今日本が直面している尖閣問題、竹島問題、北方領土問題に力強く取り組めると考えたこと。国民に対して真面目にまっすぐ向かいあい、丁寧に政策を説明しようとする姿勢が、これからの自民党のトップには必要だと思ったこと。などです。これらの要素は、安倍候補も同じく持っているので、どちらにしようか迷いましたが、石破さんに投票しました。
それから、滋賀県として党本部に開票結果を報告し、党本部において議員の投票が行われました。その結果、党員票は、石破165票、安倍87票、石原38票、町村7票、林3票。国会議員票は、石破34票、安倍54票、石原58票、町村27票、林24票で、合計すると、石破199票、安倍141票、石原96票、町村34票、林27票で、だれも過半数には届かず、石破候補と安倍候補で決選投票となりました。
決選投票の結果は、皆さんご存じのとおり、安倍候補108、石破候補89で、安倍候補が総裁に選ばれたということです。これは予想以上の僅差で、たった10人の国会議員の投票が勝敗を分けたことになります。
今回の総裁選挙を通じて、私なりにわかったことがあります。特に、党員投票の結果は、党員と言うのは一般の国民・県民の皆様ですから、この結果はしっかりと分析し、この票の中に込められた国民の声を聞き分けなければならないと思っています。
まず、多くの県民・国民が、民主党政権になってからの国防・安全保障の姿勢について、強い不安を持っているということです。これは、滋賀県だけを見ても、特に国防・安全保障に強いと言われ、それを前面に出した石破候補、安倍候補の得票が圧倒的だったことに表れています。石破さんが約半分、安倍さんを足すと8割の人がこの二人に投票しています。これは、この二人なら、いまの日本が中国や韓国に襲われている状況を打破できると期待したからに、ほかなりません。
それもそのはずです。民主党政権になってから3年ですが、このあいだに3回も尖閣諸島に関する事件が起きています。一回目は、日本の巡視船に中国の漁船が衝突した事件。このときに、中国側から「即時無条件の解放」を要求され、政治主導で言いなりになってしまいました。この時の異常な弱腰外交は、海外からも笑い物になり、世界に恥をさらしてしまったという事件でした。二回目は、先日、中国人が尖閣諸島に上陸することを許してしまったことです。一回目は上陸を阻止しようとして衝突したわけですが、二回目はなんと、政治主導で上陸を阻止せず、日本の領土への上陸をゆるしてしまったのです。これは、大変な後退で、多くの国民は強い不安を感じました。そして三回目が、尖閣諸島の国有化に絡んで、中国に進出した日本企業が次々に焼き討ちされている、現在進行中の事件です。これに対して、いまだに民主党の閣僚はだれ一人中国に乗り込むこともせず、中国大使館にも乗り込まず、ただオロオロするだけ。こんなことでは、日本の領土も守れないし、海外で活躍する日本人も日本の企業も守れません。もはや、日本のための政権、日本人のための政権として、全く失格です。
まず第一に、重要な国民の声として、国防・安全保障について、しっかりした対応をするべきだ、という声を聞かなければならないと感じました。私はこれまで地方議員をやってきたので、内政問題や地方自治に関しては、それなりに知識も経験も持っています。しかし外交や安全保障となると、これまでの経験がないので、その分しっかりと勉強し、もちろん勉強だけではダメなのですが、議論できる準備をしておきたいと思います。
そしてもう一点、石原候補について、国会議員票はトップなのに、党員票は3位と伸びなかった点に注目しています。知名度では抜群で、若さもあり、現在自民党幹事長の要職にあるのに・・・滋賀県においても党員票の2割も取れませんでした。このてんに注目し、隠された国民の声を聞き分けなければなりません。これは、ご本人の問題うんぬん以上に、「長老議員がバックにいて、石原氏を使って長老支配を強めようとしている」と報道されたことが、大きく影響していると思います。実際、有力議員の力によって、国会議員票はトップになりました。しかし党員の思いは逆に出ました。これは、多くの党員が、「時計の針を逆に回してはいけない。また古い自民党に戻ってはならない。」という強いメッセージを出したものと理解しました。これは、「新しい自民党を創る!」と決意し、再スタートした滋賀県の自民党にとって、本当に心強いエールに聞こえました。
今や滋賀県の自民党は、前回の総選挙、そして過去2回の参議院選挙で敗北し、比例復活もできず、自民党の衆議院議員も参議院議員も一人もいない、全部民主党に取られてた県になってしまいました。このことをしっかりと反省し、候補者を公募で選びなおして、もう一度皆様からの信頼を取り戻せるよう、4人の支部長が力をあわせて頑張っています。このことについては、経験豊かな年配の議員や、議員のOBに至るまで危機感を共有し、「新しい自民党を創る!」ということがコンセンサスとなっています。ゼロから再出発している滋賀県の自民党にとって、今回の総裁選挙を通じて同じ思いを感じることができたことは、本当に心強く感じています。
総裁選挙が終わって、ノーサイドとなりました。これからは、日本のため、日本の子供たちの未来のために、力を合わせて日本の政治を担ってゆかなければなりません。しかし、これからが肝心です。日本にはもはや、のんびりしている時間はありません。私は政権を取り戻してからすぐに対応ができるよう、「次の内閣」、ネクストキャビネットをしっかりと示し、政策展開の準備を始めるべきだと思っています。
民主党政権がもたないことは、国民の目に明らかです。かといって、自民党が政権回復したら良くなるという確信も持てない。これが国民の本音でしょう。そうした不安を払しょくするのは、自民党がいち早く次の内閣を示し、近く開かれる臨時国会に置いて、建設的な政策論争を展開することです。自民党としての対案をぶつけ、また協力すべきは協力し、国民に選択してもらう、国民に安心してもらうための姿勢を示し続けることだと思います。
新しい体制が決まり、いよいよもう一度スタートです。私も新しい安倍総裁と力を合わせて、それ以上に若手として先陣をつとめ、新しい日本の扉をこじ開けられるよう、全力で努力を重ねます。どうか、皆様からのさらなるご支援をよろしくお願い申し上げます。