参議院選挙がスタート
いよいよ、参議院選挙がスタートしました。
国会閉会、参議院選挙公示のための準備、そしてスタートと、本当にあわただしい10日間でした。今日は少し時間がとれたので、記事を書かせて頂きます。
今回の参議院選挙、マスコミ報道だと、ねじれ国会の解消がなされるかどうかが争点だと言っています。確かに、私たち衆議院側としては、この国会のさまざまな場面で悩まされ、私も関与した法案を廃案にされるなど、ねじれ国会の解消の必要性を強く感じました。
国会中盤から終盤にかけて、選挙制度における一票の格差是正で参議院が停止し・・・衆議院から法案を送っても、参議院で審議されないという時期が続きました。一時期は60本くらいの法案が、衆議院から送られているのに参議院でほったらかしにされているという状況だったと記憶しています。これがまさに、ねじれ国会のムダ、非効率の典型的な状況です。
しかしその前に、私としては、参議院の役割をしっかりと見つめなおすという作業も必要だと思っています。もともと参議院は貴族院を源流としており、大所高所からの判断、中長期的な視点に立った判断、党利党略に振り回されず、国家的、国益的、国際的な視点からの判断こそ、本来、参議院に求められる役割だと思っています。
しかしいつしか、参議院は「政策の府」「良識の府」どころか、自民党にもその他の党にも、その一部には、政策など考えたことも無いようなタレントさんや、非常識で良識も無いような変わり者の方々、政局専門・党利党略専門の方々が目立つようになりました。それはもちろんごく一部ですし、タレント出身でもすごく熱心に政策活動に取り組んでいる方も多数いらっしゃるのですが、そのごく一部をマスコミが大きく取り上げるので、参議院とはまるで何だかわからない府のように、国民から思われてしまうに至ったのです。
私はまず、こうした参議院の役割をもう一度見直して、議論しなおして、それにしたがってどういう方が参議院議員としてふさわしいのかを定めなければ、これからの国政を託す参議院議員さんを正しく選ぶことはできないと思っています。国民に正しく選んでいただくために、私たちはこうした大前提の議論から始めなければならないと思っています。同時に、参議院の候補者の皆様には、今の参議院をどう認識し、どこが課題でどう変えてゆきたいのかを語っていただきたいと思います。
そういう点では、私たち滋賀県の自民党が擁立した二ノ湯たけし候補は、京都大学や松下政経塾、そして実業の世界で政治の矛盾、政治の異常、それとともに政治への期待や希望をしっかりとつかみながら候補者になった人物です。しかも、若さがある。これは、改革に取り組む時間、政策に取り組む時間を十分持っているという、大きな強みでもあります。
第二に、参議院にはやはり、中期的な視点や、国益的・国際的な視点からの判断やビジョンを示して頂きたいと思っています。
例えば、教育。これは、私たちの二ノ湯候補が得意としている分野です。教育や子育てをとりまく政策は、これまで衆議院でもいろいろ議論されてきました。とりわけ政権選択をおこなう衆議院選挙においては、主要な論点の一つとなってきました。しかし一方でそれは、バラマキに見えたり、その場しのぎに見えたり、なんとなくの人気取りに見えるものも多くありました。問題は、いったいどういう日本人を育てたいのか、世界の中であこがれを呼ぶような日本を創るために、日本人はどうあらなければならないのか、どの分野を伸ばさなければならないのか、という目標、ゴールがないまま、目先の政策を追いかけてきたことは否めません。参議院は、解散も無く、任期も長く、その分じっくりと政策活動に取り組めます。たとえば、教育や子育ての分野について、しっかりと日本の方向性、おおきな柱を定める活動をしていただきたいと思っています。そういう点でも、二ノ湯候補は、理論的な政策もあり、また現場での経験もあり、という強みを持っています。まさに相応しい候補です。
他にも、外交の問題もあります。衆議院は、いつ解散になるか分からないし、地元の自治体・企業・団体の要望、地元関連の予算など、選挙区に対して責任を持つという性質上、なかなかじっくりと外交に取り組めません。しかしこの外交こそ、日本政治の最大の弱点の一つです。東アジア外交、とりわけ歴史認識だの領土だのでもめている中国、韓国、北朝鮮ばかりが取りざたされますが、世界はもっと圧倒的に広く、政治家がこれらの3つの国だけを相手にしていては、日本は取り残されてしまいます。当面の課題は、ヨーロッパ、EUとのFTAはじめ貿易に関するルールをどうするのか、またアフリカにどう向き合ってゆくのか、インドなどの新興国、アメリカ、ブラジルなどの南北アメリカ大陸、やらなければならないことはたくさんあります。日本は海洋国家です。近所の国だけに気をとられることなく、消耗することなく、広く世界の海を見据えながら、ダイナミックな外交活動を展開し、それを国益に、地域の利益につなげてゆく強さが必要です。私もまだまだ、地盤が安定するまでに時間がかかりますので、こうした日本の外交政策について、参議院議員には強みを発揮していただきたいと思っています。そういう点でも、二ノ湯候補は抜群のセンスを持っていると思っています。
そしてこうした大きな議論、大きなテーマを定めたうえで、「ねじれの解消」だと思います。衆議院議員の立場からすると、本当にこれは切望しています。
現に、この国会において、私も関係した法案を二つ廃案にされました。幸いにして、いじめ防止法については、下村文部科学大臣、担当した馳議員や土屋議員の判断が正確で、「国会終盤にかかると何が起きるかわからないから、とにかく超特急で通せ」と判断され、衆議院ではこの法案一本の為だけに本会議を招集していただきました。480人の衆議院議員が、大津を発端にしたいじめ法案を通すためだけに召集されたのです。そのおかげで滑り込みセーフで参議院も通過し、成立しましたが、少しもたもたした他の法案は、例の意味不明の参議院における問責決議案で吹き飛ばされてしまいました。この一連の流れを目の当たりにして確信したのは、ねじれ国会は、「熟議を生む」ことなどないということです。結局は、「国益よりも党利党略を優先する」ことにしかなりません。現に、この国会がそうでした。国会の閉会日に問責を出しても何の意味も無いのですが、ただ単にぶら下がっている法案を廃案にするためだけに、自民党政権における法案成立率を下げるためだけに、問責決議がなされたのです。
こんな暇なことをやっているほど、日本に残された時間は多くありません。経済の再生も、まだまだ道半ばです。というか、はじまったばかり、やっと深く暗い沼の中から抜け出して、顔を出した程度です。株価も金曜日の終値で14300円。これは、リーマンショックの前のレベルに戻ったにすぎないのです。ここでさらに足踏みをしてしまえば、あっという間に沼の中に逆戻りになってしまいます。けっして交代しないために、当面はせめてバブル崩壊後に少し安定した、20000円程度の株価を目指して、さらに改革と活性化を推進してゆかなければなりません。野党の皆様はいまの経済政策を批判しておられますが、だからといってもう一度沼の中に戻るという選択肢はないはずです。リスクもあるし課題もありますが、それでも今はアクセルを目いっぱい踏み込んで、全力でこの沼から抜け出してゆかなければなりません。そのためには、ねじれを解消するしか、方法はないことはご理解いただけると思います。
だいぶ長々と書きましたが、この選挙を良い機会として、私も皆様にいろいろご報告をし、あわせて皆様の声を聞かせていただきたいと思います。選挙は、うるさいだけだと思っている人も多いと思いますが、私たちからすると、国民と対話し、国民の意見を聴かせて頂く、最も良い機会なのです。逆に言うと、普段からできるだけいろんな会合に顔を出し、意見を聞いてはいますが、今ほど、この選択の時期ほど、皆様からの声が良く聞けるときはないと言われています。
そういうことをしっかりと肝に銘じながら、あと2週間、私たちの二ノ湯候補の当選に向けて、全力で走りぬけたいと思います。
どうか、皆様から応援していただきますよう、よろしくお願い申し上げます。