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衆議院で、安全保障法案を可決

今日の衆議院本会議で、安全保障に関する合計11の法律を改正するための法案を審議し、内閣提出の与党案を可決しました。(維新提出の法案は否決)

これによって、法案は参議院に送られるので、これからは参議院の審議を見守りながら、私たちは引き続き、地元の皆様に説明を続けることになります。

どのような法律でもそうですが、法律は通せば終わり、ということではありません。実際に運用するようになってからも、説明責任は負っています。特に今回の安全保障に関しては、世論調査の結果を見ると、まだまだ説明が必要だと感じておりますので、参議院で審議をお願いしながら、私たち衆議院議員は説明を続けなければならないと思っています。

実際に、私が駅立ちなどをしていても、好意的な方からも「今回の安全保障は、国会中継を見てもわかりにくい」という意見をいただきます。

これには、一つ大きな理由があります。それは、憲法9条です。よく、「今回の安全保障関連法は憲法9条をないがしろにする」という意見がありますが、むしろ、9条が厳しく効力を発揮しているからこそ、「国民を守るといっても、9条によってできることとできないことがある。」「領土を守り国家を守るといってもできることとできないことがある。」ということになり、「いったいどこに線引きがあるのか?」という議論が起こってしまうのです。これが、今回の議論が分かりにくいと言われる、最大の原因です。このような線引きの議論は、他の国にはあまり見られないことです。しかし、これは憲法上の重要な規定であり、いったい憲法は国民を守るに当たり、政府に何を求め、何を許しているのか、という解釈について、私たちはしっかりと説明してゆかなければなりません。

一方で、私が残念に感じているのは、委員会で110時間も審議したにもかかわらず、どうもその議論が深まっているように感じないことです。これにも原因があると思っています。それは、

①    野党の質問者の発言が、誤解や決めつけによるものが多く、また左翼的イデオロギーによるものが多く、現実的な法案審査ができなかった。現在の外交状況の分析や、日本としての対応、日米同盟のあり方、アジアや豪州各国との連携など、本来議論するべき点は多かったと思います。

②    与党の質問時間が少なすぎた。与党は法案提出に関わっているから審査時間不要というのは、まさに国会が出来レースだった55年体制の話。国民の中にも与党の支持者はたくさんいらっしゃって、その審議は見たいはず。現在は、委員会も国会も、政党間の取引に終始して、それを特定の番記者がおいかけてるだけで、国民目線になっていない。国民に代わって、国民に分かるような議論を与野党ともに進める体制を作らなければなりません。

さらに、大変残念だったのは、昨日の委員会採決において、民主党さんがものすごい妨害活動に走ったことです。映像で見た方は多いと思いますが、同じ野党の維新の会の討論の時にも、大声で妨害をしておられました。また多数のプラカードを、審議者ではなくテレビカメラや新聞記者の方にむけて掲げて、まさにパフォーマンスそのものでした。議論をし、採決をする場所である委員会室が、お芝居の場所になっていました。私も市議会議員からスタートしているので、長く議会におりますが、こんな残念な状況になっているのは国会だけです。市議会でこんなことやってたら、すぐに情報が伝わって、地元の有権者から批判されることでしょう。国会は、どうも遠い場所であり、与野党で取引する場所であり、お芝居の場所に成り下がっていることを感じました。

また、採決のあとの委員会室には、民主党さんが使ったプラカードが多数投げ捨てられていました。せめて、自分たちが持ち込んだ資料くらいは、自分たちで片づけるべきだと思います。このあたりも、国会議員のおごりがあるのではないかと思い、私自身も「他人のふり見て我がふり直せ」と戒めなければならないと思いました。

今回の法案は、現在の外交状況、あるいは世界の安全保障の状況を考えると、必要な法案だと思っています。もっと時間をかけるべきとの意見もありますが、こと安全保障や、防災対策や、防犯対策については、「巧遅は拙速に如かず」です。今できることはしっかりと準備することが必要です。それは、国民の皆さんも、それぞれの家庭ではやっていることです。家の安全を守るためには、何はともあれ可能な備えを素早くする、ということです。

私たち衆議院議員として今回の安全保障法案を通したわけですから、その責任を感じ、これからも説明を続けてまいります。また、関連する法整備や規定の整備も必要です。例えば、自衛隊員が防衛出動をした時の手当ては・・・まだ決まっていません。防衛出動が自衛隊員の本来業務なのかどうか、この議論も必要です。こうした、未整備の部分についても、今後しっかりと議論し、必要な体制整備をぬかりなく進めてまいります。

滋賀県で唯一、自衛隊の基地を持つ選挙区の議員として、この防衛問題についても専門的な知識を身につけ、「大岡君が言うなら、大丈夫だ」「大岡君に任せておけば、安心だ」と言っていただけるよう、信頼感を身につけてまいります。

(写真は、法案採決前の安倍総理の演説です)