滋賀1区(自民党) 大岡敏孝(おおおか としたか)
2011.11.27 (日)

アジア太平洋学術フォーラム


昨日と今日は、グランシップでアジア太平洋学術フォーラムをやっています。
これは県が15年も取り組んでいる事業で、講師陣が良いので専門家の間ではだいぶ高い
評価をいただけるようになってきました。

今回はエネルギーと震災対応がメインです。これは、時宜を得たテーマだと思います。

エネルギー問題に関しては、皆さん関心も高いことだと思いますが、そろそろ冷静な議論が
必要だと思っています。原発に関しても、私はこれまで以上に政治が責任と決定力を持た
なければならないと思っています。
原発は、まず立地と稼働年数、設備の状況などに応じて、しっかりと仕分けをしなければ
なりません。

例えば、想定震源域の真ん中にある浜岡原発は、いくら防波堤を作ろうと、停止となるで
しょう。
これは、被災するリスク、そして被災した場合の被害人口やその金額が大きすぎるからです。

一方で、日本海側の原発はどうでしょうか。これは安全性を確保したうえで、余裕を持った
耐用年数まで稼働というのが現実的な選択だと思います。日本海側はこれまで太平洋側
ほど大きな地震・津波に襲われていないことが理由です。逆に言うと、この辺の原発まで
止めてしまった場合、日本の経済は崩壊し、ただでさえ疲弊している日本にさらなる打撃を
与えることになります。失業率なども大幅に増える事でしょう。

また、今日細野大臣は、もんじゅについて、廃炉を含めて検討という発言をしました。
私はこれは、少し軽率であったのではないかと思います。
というのも、私が勉強した範囲では、もんじゅこそしっかりと技術開発を進めなければなら
ない分野です。それは、この装置こそ、原発の使用済み燃料のなかからMAと呼ばれる
危険度の高い物質を燃やし、より安全な状態にすることができる炉だからです。
仮にもんじゅそのものを廃炉にするにせよ、新しい研究設備をつくらなければ、浜岡にも、
福島にも残されている使用済み燃料を処理する手段をなくしてしまいます。

また、再生可能エネルギーの開発も進めなければなりません。この分野ではヨーロッパが
先行していると言われますが、ヨーロッパは再生可能エネルギーの大部分を熱利用する
ことで、ストーブなどの年商を減らし、CO2を削減しています。寒いヨーロッパと、
むしろ暑い日本とでは、このあたりの対応がだいぶ変わってきます。しかし、再生可能エネ
ルギーの利活用を進めるのであれば、太陽光発電の設置のみならず、たとえば火力発電所
や工場から出される熱を、一定地域の住宅の暖房に利用するなどの地域ぐるみの方法を
進めなければ、とうてい進むものではありません。

それから震災対策については、特に経済について、サプライチェーンの確保が最大の課題
だと考えています。浜松地域においても、東日本の震災で部品が入らず、工場が止まって
しまいました。この問題は、とても静岡県というくくりでは対応できるものではありません。
企業立地の問題も含めて、最低でも東海地区という広域でとらえてゆかなければなりません。
そういう点も含めて、地方の時代と言いながら、市とか県という行政区画では今の経済活動
の範囲からは小さくなりすぎているのかもしれません。とはいえ、今はそれが行政単位で
ある以上、県として最大限の対応を進めたいと思っています。

ほかにも、書きたいことは山ほどあるのですが、私も今回のフォーラムでいろいろ気づいた
事、自分の考えを整理できたことがたくさんありました。

印象的だったのは、藤本先生の言葉です。「空気を読んで意見するような組織や経営体は、
いまや通用しない。いま不祥事で問題になっているような会社を作るだけだ。自分の頭で
考えて、言うべき事を言う、こういう体制をつくらなければならない。」
これは、企業の経営者あるいは管理者に向けたメッセージですが、何よりも政治がまっさき
に聞かなければなりません。

党の方針に反すると損するとか、あまり言うと孤立するとか、仲間に迷惑をかけるとか・・・
国民のために働くと言っていた候補者が、当選した途端に、国民の事よりも自分の立場や
周りの目を気にして内部の理屈だけで政治行動をする・・・これは現在の国政を悪くした
最大の要素です。
私が知っている限り、以前はそうした事を越えて、ある意味空気など読まないで、言うべき
事を言う議員さんがたくさんおられました。ある意味、器の大きさを感じる議員さんがいました。

しかし、小選挙区の導入で、選挙区が小さくなったことに合わせて議員さんも小さくなった。
いまや、「右や左の旦那さま」、という二枚舌で誰にでも迎合する、八方美人で何の主張も
なく、つまりは何も仕事が出来ない議員さんが目立つようになりました。

私もこうしたご指摘をしっかりと受け止めて、しっかりと主張できる議員を目指して研鑽を
深めたいと思います。
書ききれない思いや意見もあるのですが、今後少しずつ意見してゆきたいと思います。

コメント1件

  1. - 鈴木洋平

     原子力については、なぜかすべてダメというような風潮になっているのが危険です。原子力の安全な利用を高度に研究すること、更なるエネルギーの効率化を考えることは大切だと思っています。
    実際、福島の原発は地震で壊れたのか津波で壊れたのか、構造的な問題なのか、未だ結論は出ていません。拙速に原子力はすべてNOという意見には賛同できません。
     再生可能エネルギーといって太陽光ばかりに目が行くのも疑問を感じております。また省電力高寿命のLED電球、エコ家電にエコカー、様々な環境対策商品があります。減税やポイントサービスで買い替えを促していましたが、エコポイントについては100億以上のポイントが未交換というニュースを見ました。エコ商品を製造し、従来品を廃棄するのにも温室効果ガスが発生します。しかし、商品自体の環境効果は広く示されていますが、付随する製造段階の環境評価、廃棄時の環境評価については何ら触れられていないのが現状でしょう。私はつくづく「本当のエコ」って何なのかを考えさせられることがよくあります。
     現在の政治については、我々市民は何か問題があるとすべてを政治家や行政の責任にして、「何とかしてよ!」と文句は言っても、自分の理想像や将来像をイメージすることをしていません。我々も思考停止していて、何ら智慧を絞っていないことを反省しないといけないと思います。
    とにかく何かにつけ、すべて責任や決定は他人に頼る傾向が多く、それが日本人の競争力をおとしめているような気がします。
    選挙行って投票すれば、それで権利を行使して義務を果たしたという考え方から一歩出て、我々が選んだ代表者に意見、アイデアを提供するのも有権者の役目ではないかと考えるようになりました。
    今、どこの組織でもとび抜けた発想や行動をすると、干されるのが現状です。
    結局、企業の経営者やその下でうまく出世した管理者の方々は未だに時代錯誤の右肩上がり思考に縛られているようです。オリンパスの巨額損失問題など企業経営や統治で様々な事件が発生しています。そんな大きなものではないのですが、どこの企業も右肩上がりイケイケでやっていた時に発生した負の遺産が少なからずあるようです。それは会計的なものだけでなく、企業体質・風土なども含めてです。
    そういったことも立法や行政に頼るだけでなく、民間から発信できるような環境を創っていくべきだと思っています。

    2011年12月05日
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