滋賀1区(自民党) 大岡敏孝(おおおか としたか)

2011年12月の記事一覧

2011.12.23 (金)

12月議会が閉会

先日、長かった12月議会が終了しました。

今議会は、予算的には台風15号関連の復旧事業が大きかったのですが、他にも人事委員会勧告に伴う公務員給与の削減があったり、議会改革の検討委員会の答 申準備があったり、教育委員会からの不祥事が連発したりと・・・調査して会派としての対策案を練り上げるようなテーマが多かったので、いつも以上に県庁に 引きこもっていた気がします。ようやく終わったのですが、書類をまとめたり後処理をしているうちに、新年になってしまいそうです。

最終日に私が行った討論がメディアに取り上げられたことで、昨日はいろんな方からたくさんお電話を頂きました。「よく調べているね。」「小会派でもズバッ と切り込む議論をやっているから新聞などによく載るんだね。」とお褒めを頂いたものもあれば、「県庁は対策をやらないと言っているようだがけしからん」 「徹底的に突っ込んでほしい」「議会はなめられているのでは?」という叱咤激励もいただきました。

これについては、県庁側がマスコミにした説明に、すこし誤解もあったようですので、私の方からご説明したいと思います。
私が取り上げたのは、台風15号の復旧工事の中に疑念を抱かせるものがあったからです。空港の工事なんですが、たとえばその一つは、平成13年からずっと 同じある会社が落札してきて、20年に完成。平均落札率は92%。その後2回壊れて、その都度復旧工事を発注しています。もちろんタダで直させるのではな く、お金は県庁、つまり県民の皆さまが払っている。それは、2回とも作った会社と同じ会社が落札しています。91%と87%で。つまり、毎回入札でやって いるはずなのに、最初から最後まで同じ会社が落札して、補修も同じ会社が落札しているのです。

そして今回また壊れたと言うことで、12月補正予算で3回目の補修工事を出すことになったのです。

これは、少しおかしい。これまでのように、作った会社と直す会社が同じでは、壊れた原因が不可避なものかどうか分からない。隠そうと思えば隠せるわけです。さらに、本当にちゃんと入札が行われているのか。普通の感覚なら、おかしいと思うはずです。

これを指摘しながら、県庁の技術力低下が懸念されるので、対策を求めました。具体的には技術職員の研修の強化、民間の優秀な人材の中途採用、施行中の現場検査の強化や、いい加減な工事の受け取り拒否の徹底などです。

これに対して、県庁はやらないと言っているのではなく、担当は「現時点では問題のない入札だったと判断しているが、もういちど精査して、再発防止のための方策を検討する」と言ったとのことです。
ちなみに、川勝知事はわたしたちの会派室を訪問して、「あれ、ちゃんと調べて報告しますから。あれは知らなかった。きちんとやりますから。」と言って帰ら れました。総務部長も、「予算を作りながら、これは少しおかしい、何とかしないといけないとは思っていました。本会議でのご指摘ですので、何らかの対策を まとめます。」と言っていました。

ということですので、「問題はないのでやらない」と言っているわけではなく、今回の指摘を受けて検討に入ると言う事です。もちろん当日の指摘なので対策が 決定したわけではないので、今の時点では具体策はない、といってしまったのでしょう。日本語は難しくて、少しの言葉のニュアンスの違いが誤解のもととなっ てしまいます。

いずれにしても、私は疑念や問題を指摘しながら、県庁の技術力強化を求めたわけですので、来年2月議会ではその報告を受け、今後の方向性について建設的な議論をしたいと思っています。

最高の静岡県を作るためには、最高の県庁職員をそろえなければなりません。そのためには、職員の能力強化と、民間から優秀な人材を登用して、県庁生え抜き 職員との切磋琢磨をする環境づくりが不可欠です。人材面からも「県庁が変わった」「県庁が良くなった」と言ってもらえるよう、全力で取り組みたいと思いま す。

2011.12.16 (金)

国政は父性、地方は母性

今日は野田総理が、福島原発の事故収束を宣言しました。
ステップ2(冷温停止)を達成したので、収束に至ったと判断した、とのことですが・・・そんなに甘いものでしょうか?私はこれまでいろんな方から学んでき ましたが、為政者とか、経営者というのは、状況判断は常にシビアでなくてはならないと思っています。私はあとあと大変なことにならなければいいが・・・と 思っています。

細野大臣も、総理の発表を受けて、説明をしておられました。
細野さんと私は、同じ滋賀県の出身で、同じく静岡県で政治の仕事をする友人として、党派を超えて付き合ってきました。以前からこの男は大物になると確信していましたが、いま本当に良い顔になったと思っています。男らしい、政治家らしい顔になった、と思います。

私よりも1歳年上なのですが、その年齢で良くこれだけ重い仕事を受けておられる。おそらく家族も、自分の時間も、あらゆるものを犠牲にしてやっておられる のだと思います。この点では本当に頭が下がります。それに比べて私は・・・もう少し頑張らなければならないと反省しています。

説明も丁寧にされていて、福島の声を聞きながら一人でも多くの人が故郷に帰れるように・・・とおっしゃっていました。これはその通りです。

しかし一方で、細野さんだけに、私はもっと大きな期待をしてしまいます。それは、「本当の事」をはっきり告げる勇気です。これは、細野さんがウソを言って いると言うのではなく、「どうしようもないものは、どうしようもないのだ」というある意味冷徹になる覚悟を持っていただきたいと思っているのです。

おそらく多くの国民、これは福島の人たちも含めて、おそらくあの地域が帰れない地域であろうことは想像がついています。

少し考えればわかる事です。まずは年月です。3年たったら、5年たったら、10年たったら・・・高齢の方はどんどんなくなって行きます。また、壮年の方が 高齢者になります。子供たちは大人になり、仕事や家族を持つようになります。そのような状態で、あの場所に帰って一からやり直せるでしょうか?これは非常 に難しい。

あるいは、数年たって少しずつ帰れる地域が出来たとしましょう。数人あるいは数十人で帰って、町として再生できますか?そんな人数では商店も再生できず、 生活に必要なものも用意できないでしょう。学校が用意できるか、子供は帰ってくるか。それ以前に、数年であっても放置された家は、もう家としては使えませ ん。新しく新築するしかないのです。さらには道路などのインフラも地震で傷んでいます。

さらに言えば、福島の廃炉が完了するまで30年から50年と言われています。しかし本当にそうでしょうか。そもそも燃料が漏れだしている以上、30年や 50年では近づくことすらできないかもしれない。そうすすと・・・あの地域の場合は、ひょっとしたら次の地震が来る時期に差し掛かるかもしれません。東日 本大震災ほどではないにせよ、ボロボロの原発をもう一度地震と津波が襲えば・・・また振り出しに戻ることになるかもしれません。

総合的に考えると、「もう戻れません。あきらめてください。皆さんの土地は国で買い上げます。」というのが、政治家の本当の仕事なのかもしれません。とい うか、30年~50年たっても生きて日本を立て直してゆかなければならない、私たちの世代の政治家の仕事なのだと思います。

そもそもよく考えてみると、国政に必要なのは父性であり、地方の役割は母性でした。国は外国と交渉したり戦ったりしなければならない。また厳しい事も言わ なければならない。何かを犠牲にしても日本全体のために冷徹な決断をしなければならない。昔の国政の政治家は、厳しいお父さんのような、そういう覚悟や使 命感をもってやっておられました。

ただそれだけでは国民はもたない。だから地方自治体はきめ細かく住民に向き合ってきました。福祉や医療などの現場は常に地方でした。これは、まさに子供に いつも向き合うお母さんのようでした。私たち地方議員は、まさにお母さんのようにこまめに動き、現場の情報を集め、国のほころびの部分を丁寧に補正して政 策を作ってきたわけです。

しかし今や・・・国会議員がリップサービスに走り、米つきバッタのように住民におもねって・・・全く父性というものを感じなくなりました。また、小選挙区 制の導入によってその傾向はさらに顕著になりました。一票でも負けると落選してしまうので、今や国政は「右や左の旦那様」とばかりに、いろんな意見の人に 迎合して、何の決断もできなくなってしまいました。

国会議員に本来求められるものが、多少の犠牲を押し切ってでも国のために決断する冷徹な勇気であり、自己犠牲を顧みない決断であり、命をかけての外国との 交渉であるはずなのに・・・そういう父性がなくなってしまったのです。国会議員の選挙も、およそ強さや父性とはかけはなれた、極端な話が、個別の「かわい そう」で全体の発展を犠牲にする、政策としての本質を見誤るような意見を持った議員を選ぶようになったのです。お父さんのように厳しい決断をして、子供を 大きく育てなければならないのに・・・やっているのは、「耳触りのいい言葉を吐いて」「言葉をぼかして」「少しでも批判が出ると立ち止まってしまい」「結 果として先送り」というい政治になってしまいました。

もともと地方の役割は「やさしいお母さん」です。その地方ですら、そこまでひどくはありません。私の選挙区などは4人区ですから、いろんな局面ではっきり モノを言っても、多少強引に政策を進めても、それを一部の人に批判されたって落選しませんので、毅然とした態度で政治に臨めます。
それに比べると国政は・・・本当にだらしない有様です。

細野さんも、民主党政権の重責という立場があるのでしょう。しかし、できれば、「あと40年はこの世にいて、日本のために尽くさなければならない世代」の代表として、こうした「だらしない政治」を打ち破っていただきたいと期待しています。
これだけ日本が弱っている状況ですから、いまこそ国政に父性が必要です。日本の国政が強さを取り戻さないと、本当に日本が終わってしまうかもしれない。だらしない政治に引きずられて、日本全体がだらしなくなってしまったら・・・私は本当に強い危機感を持っています。

細野さんをはじめ、若い大臣の皆さんには、「本当の事」を言っていただきたい。
もう「耳触りは良いけど空虚」な言葉には飽きました。「あいまい」や「先送り」を「優しさ」だと勘違いしている人は少なくなったと思います。厳しいけれども、日本の将来を見越した決断をしていただきたいと思います。これは原発問題だけではなく、あらゆる分野についてです。
私は今こそ、厳格なお父さんのような、それでいて子供たちの将来を誰よりも静かに願っている、そういう政治が期待されていると確信しています。

2011.12.11 (日)

人事院(人事委員会)勧告

12月議会が始まっているのに・・・というか、議会が始まったおかげで、準備や調整、政策調査でいそがしくて、活動報告を書く時間が取れず、失礼しました。

先週金曜日に私たちもボーナス(正式には期末勤勉手当)をいただきました。議員のボーナスに対する批判は主に3つあって、①議員という職務の性質上、ボー ナスはそぐわない、②頑張っている議員も、何やってるか分からない議員も同じ金額と言うのは逆に不公平、③高額すぎる、ということなのですが、私はどれも 正しいと思います。

私も手取りで150万円ほど頂いたと思う(まだ確認していないので、正確ではありません)のですが、市議会議員をやっていたころからこれらは全額、政治活 動費や選挙の積立に充てることにしています。そもそも特に贅沢をするわけでもないし、日頃の給料で生活は賄えているので、そのようにしているのです。

議員の待遇については、これだけ議会改革が叫ばれているし、議員それぞれも議会改革をやると言って出てきているのでしょうから、真剣に取り組むべきだと思っています。
そうした中、現在県議会でも議会改革検討委員会が開かれており、私もその委員として積極的に発言しています。現在1回目の答申の準備をしているところで、 一部まとまった項目もありますが、さきほど申し上げた議員の報酬や待遇については議論が平行線で、まとまりません。私はいずれにしても、第3者による議員 の待遇を検討する委員会を設置し、忌憚ない意見をもらうべきだと思います。こと議員については、自分たちの給料を自分たちで決めるというのは宜しくないと 思っています。

さて、それはそうと、タイトルに書いた人事院勧告(県では人事委員会勧告)ですが、国は結局ごたごたした揚句に、実施しないとのこと。これは本当にふざけています。

この制度は、全国で民間と公務員の給料を調査して、公務員の給料を調整する仕組みです。静岡県をはじめ各県各市で調査したものを国に吸い上げて、国、県、市がそれぞれ給料に反映させることになっています。

静岡県では、議会の冒頭に審議し、即日議決して給料を削減しました。したがって、今回支給されたボーナスから、削減が反映されています。議員も知事も一般職員もみな少しずつ減らしたわけです。

それにもかかわらず、そもそも制度を作った国が、これを無視しているというのですから、怒りを通りこして呆れてしまいます。おそらく昨日、違法に高額の ボーナスを多くの国会議員と国家公務員は手にしています。削減が義務付けられているのに、国会で審議せず、さらには国会を延長もせず、無理だったとか難し かったと言い訳してルール以上の給料を受け取るなど、言語道断ですね。

このようなことをしていて、国は指導力を発揮できるのでしょうか?法律に従わない民間や地方自治体に対して、指導是正ができるのでしょうか?
「あなたがた、法に反して自分たちの給料を削減しなかったくせに、どの口がそんなことを言えるのか?」と反論されたときに、国はどう言い訳するのでしょうか?

いずれにしても、自分たちのことすらきちんとできない、ぐだぐだ言ってちゃっかり得をしているようなことを国家としてやっていては、国民の信頼はおろか、地方自治体も国に従う気持ちはなくなります。

国会議員の削減や、一票の格差に端を発した選挙制度改革も、ほったらかし。自分たちが不利益になることは、他の政策以上に大きな声で反論して、先送りする。こんなことを繰り返していたら、いよいよ地方から反乱をおこさなければならなくなります。

やるべきことをやらずに、国会は閉会してしまいました。史上最低の法案成立率だったそうです。年末年始にいろんな議員さんとお会いするので、しっかりと追及したいと思います。

ページのトップへ